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成績の悪い子どもには、叱る前にワーキングメモリを鍛えるのが大事


子どもの成績を決める要素を調べた研究がブラジルで行われまして、その結果が大人にも参考になりそうだったのでメモ。(1)



調査は6〜8才の子どもが対象で、彼らに大量の認知テストをやってもらいまして、その後で実際の数学や語学の成績と比較してみた、というもの。



で、その結果、いつも教師から「ダメな生徒」と言われてきた生徒ほど、明らかにワーキングメモリの能力が低い傾向があったらしい。おさらいしますと、ワーキングメモリは短い時間に頭の中に情報を保存して操作する能力で、これが高いほど、いわゆる頭の回転が速い人になれると言われております。



勉強ができる人とできない人の差は1万時間の練習でも埋まらない」では、天才を生むには練習よりワーキングメモリのほうが重要かも?って話が出ましたけど、一般レベルの学業成績についても、ワーキングメモリはかなり重要な役割を果たしてるんですねぇ。



研究者いわく、


学校における作業は、ワーキングメモリを酷使するものが多い。子どもたちは、努力が必要な作業を行いつつ、大量の情報を一時的に記憶するように要求される。
 
長くて複雑な教師の指示や問題の難しさは、ワーキングメモリの能力が低い子どもには負担が大きくなりすぎる。


とのこと。成績が悪い子どもにはただ「勉強しろ」と言うんじゃなくて、まずはワーキングメモリの訓練から始めたほうが効率はいいのかも。これは大人にも言えることですね。



ちなみに、当ブログで過去に紹介した話だと、ワーキングメモリを鍛える方法としては、



あたりが実験でも良い成績をおさめております。なかでもオススメは運動N-Back課題ですかね。 



もっとも、子どもの成功を決めるのは学業成績ではなくて「誠実さ」だって話もあるので、本当に子どもの幸せを願うなら「誠実性」のトレーニングを重視したほうがいいのかもしれませんが。



credit: chefranden via FindCC

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1976年生まれ。サイエンスジャーナリストをたしなんでおります。主な著作は「最高の体調」「科学的な適職」「不老長寿メソッド」「無(最高の状態)」など。「パレオチャンネル」(https://ch.nicovideo.jp/paleo)「パレオな商品開発室」(http://cores-ec.site/paleo/)もやってます。さらに詳しいプロフィールは、以下のリンクからどうぞ。

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