人間はどんなシチュエーションで愛情を感じやすいのか?問題
当ブログでは、「人間関係って超大事だよー」って話を何度も書いております。
というのも、どんなデータを見ても、一貫して人間関係が幸福度を高めるのには必須って結果が出てて、日ごろから愛情を感じられてる人ほど寿命も長かったりするんですよ。これはほぼ誰も否定できないポイントかと思われます。
ただ、ここで気になるのが、「人間はどんなときに愛情を感じやすいのか?」ってとこでしょう。果たして親友からほめられるのがベストなのか、はたまたパートナーから「好きだ」と言われるのがいいのか、それとも子どもと遊ぶのが最高なのか、みたいな話ですな。
もちろん、そんなもんは個人の価値観だろうとも思うわけですが、あえてこの問題に挑んでみた研究(R)があったりするからおもしろいもんです。
これはペンシルバニア州立大学の論文で、どんな内容かと言いますと、
- 50歳以上の男女495人を集める
- 愛情を感じそうなシナリオを60パターン読んでもらう
- どのシナリオがベストかを決めてもらう
って感じ。「愛情を感じそうなシナリオ」の種類はさまざまで、
- 最高の友人と過ごしている時間
- ペットと遊んでいる時
- 太陽が昇るのをみた時
- パートナーとのハグ
などなど、とにかく日常的なシナリオがいくつも用意されております。
というと、「ただの多数決じゃないの?」とか思われそうですが、いちおうECMって統計手法って使っていて、結果に影響しそうなバイアスを調整してるのがキモ。経済学の分野でよく見かけるテクニックかと思います。
では、「人間が愛情を感じるシーン」のランキングがどのようになったかと言いますと、
1位 自分が困ってる場面で助けてくれた時
2位 子どもがなついてきた時
がトップツーで、どちらも愛情レベルは同じぐらいだったそうな。
さらにその下にランクインしたのが、
3位 ペットがなついてきた時
4位 パートナーから「好きだ」と言われた時
だってのがおもしろいっすね。つまり、パートナーから愛情を告げられるよりも、飼い猫が頭をスリスリさせてきた瞬間のほうが大事なんだ、と(笑)
ちなみに、ほとんどの人が「愛情を感じない」と判断したシナリオとしては、
- いつも自分の居場所を確認される
- いつも一緒にいたいと言われる
みたいなのがあがっておりました。そりゃそうっすよね。ストーカー感がバリバリですから。
さらに、その他の知見としては、
- 男性よりは女性のほうが「愛情を感じる場面」が一致しやすい
- 協調性と神経症傾向が高い人は、「愛情を感じる場面」が一致しやすい
なんてのも出てたりします。協調性が高い人の意見が一致しやすいのは当然として、神経症傾向についてはちょっと不思議っすね。
いずれにせよ研究者いわく、
被験者が同意した愛情のシナリオは、必ずしも恋愛とは関係していなかった。これは大事なことで、どんな人でも日常生活で簡単に愛情を感じられるということだ。おおげさなロマンスは必要ない。
ってことでして、愛情が足りなくてさびしい人はとりあえずペットですな(笑)