低分子のコラーゲンを12週間のめばシワが減るかもだ!みたいな実験
「コラーゲンで美肌に!」と言われれば、うさんくさく思う人も多いでしょう。とくに疑似科学クラスタではコラーゲンの懐疑論が多くて、
- コラーゲンは胃でアミノ酸に分解される
- ゆえに、コラーゲンをとっても肌には行かない!
って流れでディスるケースが多いかと思います。
これは基本的に正しくて、口から入れたコラーゲンがそのまま上皮細胞にとどくわけじゃないのは当たり前の話。そりゃそうだよなー、みたいな。
が、だからといって必ずしも「コラーゲンをとっても無意味!」って結論にはならなかったりもするんですな。というのも、「コラーゲンでシワが改善した!」ってデータは意外と多いもんですから。
たとえば、
- 57人にブタ由来の加水分解コラーゲンを1日2.5g飲んでもらったら、8週間で目のまわりのシワが減った(2014年,1)
- ジペプチドコラーゲンを3週間ほど使ってもらったら、シワの数と肌荒れがガッツリと改善した(最大15%ぐらい)(2016年,2)
といったあたりが代表的でして、いずれも質が高い研究ではないものの、いたずらにコラーゲンを切り捨てるのも難しいんすよ。
コラーゲンが肌に効く(かもしれない)メカニズムはようわからんですが、
- コラーゲンは普通の肉や卵には少ないアミノ酸が豊富だから、そのせいで肌に効くのでは?
- 低分子コラーゲンが肌に「成長しろ!」と指示を出すから?
みたいに考えられております。まーどちらの仮説も研究としては初歩レベルなんで、なんとも言えませんけど。
で、新しい論文(3)も「コラーゲンでシワが減った!」みたいな話です。
これはCHA医科大学校の実験で、40〜60歳の健康な女性53人が対象。まずは皮膚科医に7点満点でシワのレベルを採点してもらって、その後で全体を2つのグループにわけてます。
- 低分子コラーゲンを1日1g飲む
- ニセコラーゲンを1日1g飲む
実験期間は12週間で、最終的にはまた別の医師がシワの変化をチェックしたそうな。
その結果をざっくり申し上げますと、
- 6週目の時点では両グループにシワの変化はなし
- 12週目では、コラーゲングループのほうがシワが13%ほど減っていた(プラセボ群は改善なし)
だったそうです。いちおうの有意差が出ましたねー。
もっとも、「13%」と言われるとそれなりの変化のように思えますが、要は7点満点で0.4ポイントの違いが出たって話なんで、そこらへんを考えるとどうなのかなー、みたいな。判断が難しいっすなぁ。
また、この研究では、参加者の「主観的にシワが減ったかと思うか?」も調べてないんで、現実的にどれぐらいのメリットがあるかはようわからんです。つまり、この結果は、あくまで「トレーニングされた皮膚科医の目には違いが出た」って話でして、美容研究で大事な「コラーゲンで見た目の満足度は上がるか?」ってポイントは謎なんですよね。
とりあえず現状の話をまとめますと、
- 低分子のコラーゲンでシワが改善する可能性は意外とある
- ただし、それが現実的に使いものになるレベルかはわからない
みたいになります。個人的にはまだ様子見が妥当なレベルかと思いますが、「少しでもシワが改善するなら試したい!」って方は、多くの実験で使われてる「コラーゲン・トリペプチド 」をご利用ください。私はオススメしませんが(笑)