ボーッとしてる時こそ良いアイデアが浮かぶ!はどこまで本当なのか?
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「シャワー中に良いアイデアが浮かんだ!」なんて話をよく聞きますが、そこらへんを調べてくれた論文(R)がおもしろかったんでメモ。
これはカリフォルニア大学の研究で、45人の物理学者と53人のライター(脚本家、小説家、ジャーナリストなど)を対象にしております。どんな実験だったかというと、
- 毎日ランダムなタイミングで被験者にメールを送り、「なんか自分の職業に関する良いアイデアを思いつきました?」と質問する
- 被験者は、その時に思いついたアイデアの内容や場所、行動などを記録する
みたいな作業を2週間ほど続けて、「どんなときに斬新な発想は浮かぶのか?」って問題をチェックしたんですな。
このデータによって、研究チームが特になにをチェックしたかと言うと、
- アイデアが浮かんだときに、解決したい問題に取り組んでいたか?問題に関するほかのことをしていたか?それとも、まったく別のことをしていたか?
- そのアイデアが”アハ体験”のように感じられたか?創造性と重要性は高かったか?
といったポイントです。よく「なんもせずボーッとしてたら良いアイデアを思いついた」みたいな話がありますが、あれがどこまで事実なのかを調べてくれたわけですな。
で、これで何がわかったかと言いますと、
- クリエイティブなアイデアの20%は、仕事とは関係ないことをしていたときに生まれていた(領収書の整理とか)
- 仕事とは無関係のことをしている最中に生まれたアイデアのほうが、”アハ体験"として感じられやすい
だったそうです。「シャワー中に良い考えがわいた」みたいな話はやっぱり正しく、しかもこのときに生まれたアイデアは、「こんなの解決できないでしょ!」と思っちゃうような問題から抜け出す役に立つケースが多いんだ、と。
まぁ昔から「集中しないほうが創造性は高まる」みたいな話はありますし、「マインドワンダリングは脳にいい!」ってデータも出てるんで、なにもせずにボーッとしたほうがアハ体験を生みやすいのも納得ではあります。ただし、この実験ではほかにも、
- 仕事中に思いついたアイデアと、仕事とは関係ない状況で生まれたアイデアは、「創造性」と「重要性」の違いでは目立った差がなかった
なんて結果も出てるのがおもしろいところです。ボーッとしてるときに生まれたアイデアはブレイクスルーにつながりやすいんだけど、総合的に見れば、とくにクリエイティビティや仕事へのお役立ち度が高いってわけでもないのかもですな。
もちろん、これは自己申告ベースの研究なんでうのみは禁物ですが、
- 解決が不可能っぽい問題に立ち向かうときは、いったん仕事から離れる
- それ以外の問題は別に普通にアイデアを考えればいいんじゃない?
ぐらいに思っとくのがいいかもしれませんねぇ。どうぞよしなに。