良い「心ここにあらず」で脳がデカくなるぞ!みたいな話
良いマインドワンダリングの条件とは?
こないだ「『心ここにあらず』は悪いことじゃないよ!」って論文を紹介しました。一般的には「心ここにあらず」(マインドワンダリング)の状態は悪く思われがちだけど、実はマインドワンダリングにも良いものと悪いものが存在するんだよー、みたいな話です。
こうなると、「じゃあ良いマインドワンダリングの条件ってなによ?」ってとこが気になりますが、そのへんを調べてくれた論文(1)が出ておりました。
意図的なマインドワンダリングと自然発生するマインドワンダリング
これはヨーク大学の実験で、まずは参加者たちに以下の質問に答えてもらったんですね。
- 意図的に自分を「心ここにあらず」の状態にすることがありますか?
- 気がついたら自然と「心ここにあらず」の状態になっていることがありますか?
要するに、「意図的なマインドワンダリング」と「自然発生するマインドワンダリング」の違いを調べたわけですな。
意図的なマインドワンダリングで脳がデカくなる
そのうえで全員の脳のMRIでチェックしたところ、
- 意図的なマインドワンダリングをする人は脳がデカい!
- マインドワンダリングが自然発生しがちな人は脳が小さい!
って結果が出たんだそうな。具体的にどんな変化が見られたかというと、
意図的に「心ここにあらず」の状態に入る人ほど、前頭前野の皮質が厚いことがわかった。
さらに、意図的なマインドワンダリングには、脳の2つのネットワークを強く結びつける作用もある。
そのひとつは「デフォルトモードネットワーク」で、これは記憶から情報を引き出す際に活性化する。もうひとつは「前頭頭頂ネットワーク」と呼ばれ、関係ない情報をシャットアウトし、集中力を高める機能を持っている。
とのこと。つまり、意図的にマインドワンダリングを行えば、脳の創造性と集中力に関わるネットワークがスムーズにつながるわけですね。これは素晴らしい。
マインドフルネスなマインドワンダリングを目指せ!
言われてみれば、鬱の原因になる「反すう思考」系のマインドワンダリングなどは、基本的に自然発生ですからね。逆に「俺は今から心ここにあらずの状態になる!」や「俺はいま心ここにあらずだ!」といった自覚さえあれば、マインドワンダリングは脳に効くってことなのかも。
いわば「マインドフルなマインドワンダリングが大事!」って話でして、なんともややこしいですね(笑)。ちなみに、その鍛え方については前回で触れましたので、あわせてご参照ください。