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集中力がない人には朗報「気が散りやすい人ほど創造性が高い!」との研究結果

Attention
 
「気が散りやすい人ほど創造性が高い!」って研究(1)がおもしろいのでメモ。



 

これはノースウェスタン大学の研究で、100人の被験者たちが対象。まずは全員にハーバード大の指標を使ったインタビューを行いまして、実生活における創造性のレベルを診断したんですね。


続いて、実験室でも創造性テストを受けてもらって、「拡散的思考」のレベルを診断。これは、1つの問題に対して複数の解答を思いつく能力で、たとえば「決まった時間内にレンガの新しい使い道をできるだけ考えてください」といったテストが定番であります。


最後に、全員の脳の電気活動を調べたところ、以下の傾向が見られたとか。

 

  • 拡散的思考が得意な人たちは感覚的な刺激に強く、集中力が続きやすい
  • 実生活で創造性が高い人たちは感覚的な刺激に弱く、集中力が続きにくい


どうやら、現実の世界で創造性が高い人は、汚い光景や騒音といった周囲のノイズをフィルタリングする能力が低いもんで、集中力が長続きしにくいらしい。注意散漫の状態とは、逆に言えば脳が自由になった状態でもあるので、そのぶんだけ常識にとらわれない発想が可能になるんだ、と。


実際、過去の偉人たちにも刺激に弱い人が多かったようで、以下の事例が挙げられておりました。

 

  • プルースト:騒音がガマンできないのでつねに耳栓を使い、防音のために部屋の壁をコルク張りにした。
  • ワーグナー:「すぐれた芸術家には静けさが必要だ。平穏と静けさこそ、芸術家に不可欠な義務なのだ」とのメモを残している。
  • カフカ:「執筆には孤独が必要だ。ただし、隠者のようにふるまうだけでは足りない。死者のようでなければならない」との発言がある。


ほかにも、ダーウィン、チェーホフ、ゲーテなどもノイズを嫌う傾向が強かったとか。ちなみに、過去にはADHDの人ほど創造性が高いってデータ(2011年,2)があったりとか、「変わった人は情報を選り分ける能力が低いせいで創造性が高い」って研究もありまして、確かに集中力の低さと創造性には関連がありそう。


研究者いわく、

 

この敏感さを正しい方向に使えば、より豊かで意味深く、感受性にあふれた人生を送ることができる。


 とのことであります。気が散りやすくて困ってる人には、なかなか良いニュースですね。


credit: fs999 via FindCC


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1976年生まれ。サイエンスジャーナリストをたしなんでおります。主な著作は「最高の体調」「科学的な適職」「不老長寿メソッド」「無(最高の状態)」など。「パレオチャンネル」(https://ch.nicovideo.jp/paleo)「パレオな商品開発室」(http://cores-ec.site/paleo/)もやってます。さらに詳しいプロフィールは、以下のリンクからどうぞ。

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