なんだかんだで5人に1人は食事が悪いせいで死んでるんじゃないか?説
「不健康な食事はタバコより悪い!」っていうナイスなデータ(R)が出てたんでメモしときます。
これは数百の学者チームからなる組織による研究で、ビル・ゲイツさんの財団から出資を受けた研究になっております。研究チームは世界の195カ国から1990 〜 2017年のあいだに行われた栄養調査をを分析。メタ分析のデータもふくめたうえで、「どんな食事が死亡率を上げるのか?」って問題を調べてくれたんですな。
で、ここでは15のチェックポイントを挙げて、世界の人はどれぐらい不健康な食事をしてるかを見たんだそうな。「不健康な食事」の内容を具体的に紹介しとくと、以下のような感じです。
- フルーツの摂取量が250g以下
- 野菜の摂取量が360g以下
- 豆類の摂取量が60g以下
- 全粒穀物の摂取量が125g以下
- ナッツ類の摂取量が21g以下
- 牛乳の摂取量が435g以下
- 食物繊維の摂取量が24g以下
- カルシウムの摂取量が1.25g以下
- 魚介類からとるオメガ3脂肪酸の摂取量が250mg以下
- 多価不飽和脂肪酸の摂取量が総カロリーの11%以下
- レッドミートの摂取量が23g以上
- 加工肉の摂取量が2g以上
- 糖を添加した飲料が3g以上
- トランス脂肪酸が総カロリーの0.5%以上
- 食塩が3g以上
ってことで、「牛乳はそこまで必要か?」とか「全粒穀物の比重が大きくないすか?」といった異論もありましょうが、健康的なライフスタイルの最低ラインとして使えるリストになってるんじゃないでしょうか。
でもって、すべてをひっくるめてどんなことがわかったかというと、
- 2017年の時点で、1千万人の死が不健康な食事によってもたらされた
- 不健康な食事は、913,000人の死をもたらした
- 不健康な食事による死は1990年から増加を続けている
だったそうで、研究チームいわく、
食事の改善は、5人に1人の死を救うポテンシャルがあるかもしれない。最適レベルに達しない食事は、タバコよりも多くの死を招いている。
とのこと。タバコよりもヒドいってのは、なかなかすごいもんがありますな。
さらに、全体的に多くの国で足りない傾向があったのが、
- ナッツ類
- 乳製品
- 食物繊維
- フルーツ
だったとのこと。逆に多すぎるのが、
- 塩分
- 砂糖入りドリンク
- 加工肉
だったらしい。もちろん、これには大きな地域差がありまして、
- 中央アジアは意外と野菜をちゃんと食べてる
- アジア太平洋地域はオメガ3が足りてる
みたいな傾向はあったものの、やはり大きく見れば不健康な食事が死亡率を高めてるのは間違いなさげ。このブログを読んでいる人だと野菜やオメガ3は問題なさそうですが、食塩とかは意外とオーバーしてる人も多いかもですな。
まぁ今回のは基本的に観察研究ですし、食塩の量に調べた国が4つしかなかったりとか、データの偏りも気になるとこではあります(アルコールの摂取量も考慮されてないし)。が、基本的にはクオリティが高い研究ですし、ここで挙げられた15のチェックポイントは「最低ライン」を知っておく点で役に立つなーとか思いましたね。