人生の後悔を減らしたいなら"ウェールラウンド"を意識せよ!みたいな話
人生には後悔がつきものでして、あとから「もっとこうしておけば……」などと思うことがしばしばでしょう。とくに多いのが人生の節目や変わり目に関する後悔で、
- 会社を変わってみたはいいが、やり残したことがあったんじゃないか?
- 彼氏と別れてみたが、本当に正解だったんだろうか……
のようなケースは誰にでもありましょう。
ってことで、そんな「人生の後悔を減らすにはどうすればいいの?」って問題を調べた論文(R)がおもしろかったんでメモしときます。
これはハンブルグ大学の研究で、1,233人を集めてオンライン上で6パターンの実験をしております。研究チームの問題意識は、
新たな人生を始めるときに、ポジティブで建設的な態度を貫くのは意外と難しい。そこで私たちは、転職した後や新たな人間関係を築かねばならないタイミング、新しい家に住み始めたときなどに、良いスタートを送る方法について考えた。
みたいになってまして、いかに人生の後悔を減らすかをチェックしたんですな。
具体的にどんな実験をしたかと言いますと、
- みんなに人生の節目について思い出してもらう(遠い街への引っ越しとか、辛い別れとか、転職とか)
- その節目でどんな行動を取ったかを尋ねる
- その節目についてどれぐらい後悔しているかを尋ねる
みたいに、人生の後悔を左右しそうな行動をあぶりだしていったらしい。
そこで何がわかったかというと、
- 節目の最後を”ウェールラウンド”に終えた人ほど後悔が少ない!
だったんですな。ウェールラウンドな終わり方ってのは、
私たちが、区切りの感覚を持てるような終わり方のことだ。すべきことをしたと感じられ、なし崩しに終わらないような感覚が生まれればよい。
みたいな意味でして、たとえばいまのパートナーと別れるような場面だったら、
- なんとなく自然消滅=ウェールラウンドではない
- お別れの食事会などの場を作る=ウェールラウンド
のようになります。とにかく、「ここで一区切りだ!」と思えるようなシーンを意図的に作るのが大事だってことですな。
研究チームいわく、
ここでわかったのは、人々が人生のピリオドでどのような行動を取ったかが、後に大きな違いをもたらすということだ。「やれることはすべてやった」と思えるほうが、後になっても幸福感は高く、後悔の波に襲われるようなこともなかった。その結果、より建設的な態度で次の人生を送れるようになったのだ。
とのこと。確かに、なんとなーく人生の節目を過ごしたらモヤモヤしそうですもんねぇ。
ちなみに、この研究でおもしろいのは、ウェールラウンドな終わり方を意識すると「頭も良くなるよ!」って結果が出てるとこですね。初対面の被験者をSkypeで自由に会話してもらったところ、ウェールラウンドな終わり方を意識した人は、そうでないひとよりも実行機能テストの成績が良かったんだそうな。
もちろん、これはウェールラウンドな終わり方で脳の働きが良くなるって意味ではなくて、それぐらい「人生の後悔」ってのはヒトの頭の働きを下げてるんだよーってことでしょうね。いつまでも心の中がモヤモヤしてたら、脳がうまく働かないのは当然でありましょう。
そんなわけで、人生の後悔をできるだけ減らしたければ、なんか節目になりそうなイベントを自分で設定してみると吉。ヌルッと終わらせるのはよくないですよーってことでひとつ。