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今週末の小ネタ:フィッシュコラーゲンで美肌?マスクで信頼感アップ?ビートルートとテコンドー


ひとつのエントリにするほどでもないけど、なんとなく興味深い論文を紹介するコーナーです。

  

 

 フィッシュコラーゲンで美肌になれるんじゃないか説

かつて優勢だったコラーゲン無意味説もなんのその。近年は加水分解コラーゲンなら美肌に効くのでは?ってデータもちらほら見かけるようになったわけです。

 


新しい研究(R)そのひとつで、加水分解フィッシュコラーゲンが皮膚の光老化に効くかどうかを検証してくれてます。ご存じのとおり光老化は紫外線ダメージで肌がたるんだりシワになる現象のことですね。



これは90日間のランダム化対照試験で、健康な女性46名(平均年齢52歳)を対象に、

 

  1. 1日1回プラセボサプリを飲む
  2. 1日1回500ミリグラムの加水分解コラーゲンを飲む

 

って感じに割り当てて、試験の前後でシワやコラーゲン繊維の含有量と肌の密度、毛穴、水分量など、肌質に関するいろんな指標を評価したところ、

 

  • フィッシュコラーゲンを飲んだぐるーぷはシワが減り、コラーゲン繊維の含有量と肌の密度も改善し、角質層の厚さが増えた。また、コラーゲンの構造が改善され、エラスチン沈着が減少した
  • フィッシュコラーゲンを飲んだグループは、肌の潤い、シワ、肌のトーン、ハリの改善も報告した

 

ということで、個人的に「ちょっと試しに使ってみるか………」ぐらいの印象を持たせる結果になってますね。ちなみに著者のひとりは、この研究で使われたフィッシュコラーゲンの製造会社の社員さんなんですけど、まぁそこらへんの影響はよくわからんってことで。

 

 

 

ンフルエンサーはマスクを着けたほうが信頼される?

インフルエンサーはマスクを着けよ!そのほうが信頼されるぞ!」って変なデータ(R)が出ておりました。これがどんな話かといいますと、

 

  • 実験1=99人の男女を集め、架空の女性インフルエンサーの説明文と、そのインフルエンサーが使い捨てのフェイスマスクを着用している写真を見てもらい、「どれぐらい看護師、医師、医療従事者を連想させるか?」を評価してもらう

 

  • 実験2 =男性インフルエンサーの写真を使って上と似たような実験を行いマスクを着用したインフルエンサーと、マスクを着用していないインフルエンサーの印象の違いを評価してもらう

 

  • 実験3 =メアリーという架空の女性インフルエンサーがマスクをしている姿を見せ、そのインフルエンサーの能力や意見のことをどう思うか?を調べる

 

みたいになってます。いずれもポイントは同じで、マスクの有無によりインフルエンサーの印象は変わるか?を調べたわけっすね。すると、その結果はどれも同じで、

 

  • マスクをつけたインフルエンサーは、マスクを着用していないインフルエンサーよりも有能であると認識され、「友人に勧めたい」「アドバイスを受けたい」「アドバイスに従いたい」などの肯定的な反応を引き出した

 

  • 上記の効果は、マスクをした写真が医療従事者を連想させるのが原因だと考えられる

 

だったそうな。マスクはお医者さんを連想させるので、そのおかげでマスクを着けただけで信頼性がアップするんだ、と。昔から「白衣を着た人は信頼されやすい」みたいな話がありますけど、その変種ですね。

 

 

まー、欧米に比べて日本はマスクの使用が一般的なので、ここまで劇的な違いが出るとも思えんのですが、日本でも多少はあるのかも?って感じはしますね。

 

 

 

ビートルート・ジュースがテコンドー選手に効くかも説

ビートルートは運動パフォーマンスアップに効くよー」って話が昔からあるわけです。ビートルートはカブによく似た紫の野菜で、栄養価がめちゃくちゃ高いことで有名な食材なんですよね。私も常食してる食材のひとつで、よく生でガジガジかじっております。

 

 

で、近ごろ新たに「テコンドー選手にビートルートジュースが効くか確かめたよ!」という研究(R)が行われまして、ビートルート好き&テコンドー茶帯の私としてはまことにありがたいデータになっておりました(笑

 

 

これはイランのテコンドーリーグに所属する8人の男性を対象にしたテストで、みんなに以下の4パターンでサプリを飲んでもらいつつ、テコンドーのパフォーマンステストをしたそうな。

 

  1. 60 mLのビートルートジュースを飲む(硝酸塩400 mg)+60 mLのプラセボドリンクを飲む
  2. 120 mLのビートルートジュースを飲む
  3. 120 mLのプラセボドリンクを飲む
  4. サプリメントなし(コントロールグループ)

 

こんな感じで、それぞれ7日間のウォッシュアウト期間をはさみつつ、全部で4回のテストセッションをやってます。ここでチェックしたポイントは、

 

  • 無酸素性パフォーマンス(ハイスピードキックの連打回数で測定)
  • 有酸素性パフォーマンス(テコンドーテストの疲労困憊までの時間で測定)
  • ジャンプ力と主観的な疲労感
  • ストループ単語色テストで(認知機能の働きをチェックしてる)

 

などです。テコンドーのパフォーマンスを上げるには有酸素性の代謝機能とスピーディな意思決定が必要なんで(高強度のキックをくり返しまくるから)、こういったテスト項目になったわけっすね。

 


でもって、結果がどうだったかと言うと、

 

  • 有酸素と無酸素のパフォーマンスについては、もしかしたらビートルートでパフォーマンスが改善するかも(ただし有意差はなし)

  • また、ビートルートで認知機能が改善する可能性もあるかも
  • その他、乳酸値や主観的な疲労感などには違いが見られなかった

 

ぐらいになります。なにせサンプルサイズが小さすぎるし、多重比較による偽陽性である可能性も大きいんですが、まぁまぁの結果なのかな、と。とりあえずビートルートが体に良いのは確実なので、テコンドー者としては今後も積極的に摂取していくぞ!って気にはなりましたねー。


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1976年生まれ。サイエンスジャーナリストをたしなんでおります。主な著作は「最高の体調」「科学的な適職」「不老長寿メソッド」「無(最高の状態)」など。「パレオチャンネル」(https://ch.nicovideo.jp/paleo)「パレオな商品開発室」(http://cores-ec.site/paleo/)もやってます。さらに詳しいプロフィールは、以下のリンクからどうぞ。

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