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本当に人生を楽しんでいる人に必要な3つの要素ってなんだろう?の科学


 

楽しさの力(The Power of Fun: How to Feel Alive Again)」って本を読みました。著者のキャサリン・プライスさんは科学ジャーナリストで、ニューヨーク・タイムズなどでよく名前をお見かけする方ですね。

 

 

この本はタイトルどおり「人間にとって本当の楽しさとは?」ってのを掘り下げた一冊で、プライス先生の定義をピックアップしますと、

 

ペディキュアをしてもらったり、ワインを飲みながらミームをスクロールしたりすることが、実存的な悩みの解決策だと言っているのではない。私が言っているのは、最も純粋で超越した形の楽しみ、つまり生きている喜びを感じられるような楽しみのことだ。

 

って感じでして、こないだ紹介した「スイート・スポット」に近い問題意識ですね。ただし、「スイート・スポット」では「苦痛の重要性」みたいなとこにフォーカスしてたのに対して、こちらでは「楽しさを生み出す構成要素ってなに?」ってとこに焦点を置いてるのがポイントであります。

 

 

では、プライス先生がどんなことを言ってるのか、以下にざっくりまとめてみましょう。

 

 

  • 生きている喜びを感じられるような「真の楽しさ」は、「遊び心」「つながり」「フロー」という3つの心理状態が合流したときに生まれる。

 

  • 「遊び心」とは、結果をあまり気にせずに、ただ楽しむために何かをするという軽やかで自由な精神を意味する。

 

  • 「つながり」とは、誰か(または何か)と特別な経験を共有する感覚を意味する。

 

  • 「フロー」は心理学の用語で、時間を忘れてしまうほど集中している状態を意味する。

 

  • 「遊び心」、「つながり」、「フロー」は、それぞれ単独で発生した場合にも幸福感を高めてくれるが、この3つの状態を同時に体験すると「真の楽しさ」が生まれる

 

  • 「遊び心」、「つながり」、「フロー」のメリットに関する研究は多く、この3つの要素は精神的にも肉体的にも健康に良いことがわかっている。これらの利点の多くはストレスに関係しており、3つの要素がストレスホルモンの慢性的な上昇を防ぎ、2型糖尿病、心筋梗塞、脳卒中、心臓病、うつ病、不妊症、認知症など、あらゆる種類の健康問題を予防してくれる。

 

  • 「真の楽しさ」があると私たちはストレスを感じることがなく、自信の喪失や倦怠感にさいなまれることもない。むしろ、不安や自己批判から解放され、集中して現在に臨むことができる。

 

  • 一方で、世の中には「偽の楽しさ(Fake Fun)」も存在する。これは、SNSやテレビ番組の視聴など、その最中は楽しいものの、遊び心やつながり、フローを感じさせない活動ことで、手っ取り早く快楽を得ることができるが、最終的には空虚感、孤独感、不安感、充足感のなさ、麻痺感などが残ることが多い。

 

  • 「真の楽しさ」と「偽の楽しさ」の違いを理解することは、習慣を変える上で驚くほど強力なツールとなる。「真の楽しさ」を優先して行動するようになったら、知らず知らずのうちにスマホを見る時間が激減していたという人は少なくない。

 

  • よく言われることだが、習慣を変えるのに意志の力を使うのは絶対にうまくいかない。それよりも、自分が「真の楽しさ」を感じられることに意識をフォーカスしたほうが、よほど成功率は高くなる。何が自分に「真の楽しさ」をもたらすのかを理解すればするほど、より多くの代替案を持つことができる。

 

  • しかし、現代人は「真の楽しさ」に注意を向け続けるのが非常に苦手であり、その最大の原因はスマホであるケースが非常に多い。新型コロナのパンデミックが起こる前、平均的な人は1日に4時間以上をスマホに費やしていた。これは1年で60日分、つまり週40時間労働の9カ月分に相当する。

 

  • さらに現代人は、外界からの刺激だけでなく、自分の脳の中にある不安や執着、欲求、自己批判、希望、夢、恐怖など、数え切れないものによっても「真の楽しさ」から注意をそらされている。私たちは常にネガティブなことに注意を払い、攻撃される可能性がないかに目を向けようとするバイアスがある。

    これは、危険が現実に存在する場合には有効な生存戦略だが、私たちが遭遇する脅威の多くは感情的で抽象的なものなので、このバイアスはストレスによる病気のリスクを高め、私たちの幸福を低下させる。

 

  • その結果、現代人の多くは「真の楽しさ」を味わうのではなく、たんに間違っていることを正すことに注意を払い続けている

 

 

ってことで、プライス先生が考える「真の楽しさ」についてでした。「楽しさ」の要素を「遊び心」「つながり」「フロー」の3つにまとめるあたりは、言われてみればなるほどなーって感じでしたね。

 

 

こうなると、「自分なりに真の楽しさを味わうためにはどうすりゃいいの?」ってあたりが気になりますけど、それについては「そもそも自分に真の楽しさをもたらすものとは?」ってのを掘り下げてみるのが吉。そのための手法は「パレオチャンネル」に書くことにしましょうー。


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