2023年の目標達成率をガツンと上げる超シンプルなテクニック
新年!ということで、一発目のエントリは、例年どおり「新年の抱負を達成する方法」を考えてみましょう。ちなみに、このシリーズも恒例になりまして、あらためて確認したら7つのエントリがたまっておりました(なぜか2017年だけやってませんが)。今回のエントリと合わせて参考にしてくださいませ。
- 2020年 ロールモデルをうまく使って「新年の目標」達成率を上げる方法のお話
- 2019年のゴール達成率を高めたきゃ"あれ"を1ヶ月だけやってみたら?というイギリスの研究
- 2018年 新年の目標を確実に達成するための「パレオ的なゴール設定法」とは?
- 2016年 一流の心理学者による「目標達成のための4つの基本テク」がよろしいですなぁ
- 2015年 ハーバード流「新年の目標」を達成するための科学的な方法
で、今年はどんな話を紹介するかと言いますと、
- 目標は紙に書き出そうぜ!
みたいな考え方です。「新年の目標を紙に書き出す」ってのは超基本的なテクニックですが、このやり方には意味があるのかってことですね。
このような基本的なテクニックを、なぜいまさら取り上げたかと言いますと、かつてこのブログで「かの有名な『イェール大学の目標設定実験』がデマだった件」ってエントリを書いたからです。このエントリがどのような内容だったかを説明すると、以下のようになります。
- かつて、ビジネス書の世界では「イェール大学の研究により、自分の将来について具体的な目標を書いた人は、20年後に目標を書いていない人たちの10倍の収入を得ていたことがわかっている」というエピソードがよく紹介されていた。
- ところが、よく調べてみると、この研究は実際には行われていなかった。
- 結局、目標を書き出すと成功率が上がるって説は、正当性がないっぽい
みたいになります。ビジネス書の世界ではド定番だった有名な実験が、実はデタラメだったわけですね。
それでは、果たして「目標を紙に書き出す」ってテクニックは、意味がないのでしょうか?
このポイントを確かめてくれたのが、ドミニカ大学のゲイル・マシューズ博士の研究(R)であります。イェール大学の実験が都市伝説だったことを知った博士は、自分の手であらためて「目標を紙に書き出す」テクニックの効果を確かめたんですね。
具体的には、世界の6カ国(米国、インド、日本を含む)から集めた男女267人(23歳から72歳)を対象にした試験で、全体を5つのグループにわけております。
- 単純に自分の目標を頭だけで考える
- オンライン・アンケートに自分の目標を書き出す
- 目標を書き出し、さらに行動を達成する方法を考える
- 目標を書き出し、さらに行動を達成する方法を友人に送る
- 目標を書き出し、さらに目標の進捗状況を毎週友人に送る
って感じで、1ヶ月後の違いをチェックしたんだそうな。すると、目標を紙に書き出す行為には、やはり明確な効果が認められまして、
- 目標を書いた人(グループ2-5)は、目標を書かなかった人(グループ1)よりも達成度が高く、目標達成度の平均値は、グループ1が4.28点、グループ2〜5が6.44点だった。
- もっとも成績が良かったのはグループ5(目標を友人と毎週共有)は、目標達成の平均スコアが7.6で最高レベルだった。
という感じだったとのこと。こうして見ると、やはり新年の抱負を書き留めるという行為は、長期的な目標達成の成功率を上げるのだと言えましょう。
また、この研究を見ると、「友人に進捗状況を報告する」ってのもかなり良い効果があるようなので、こちらもぜひ使ってみたいところです。つまり、この実験を現実に活かすのであれば、
- まずは、新年の抱負を紙に書き出す。
- 書き出した目標を、応援してくれる人と共有する。
- その目標をどれぐらい達成できているかを、友人へ定期的に報告する。
みたいになるでしょう。たんに目標を書き出すだけでも効果はあるみたいなんですが、友人に報告するとさらに目標達成度が上がりますので、ぜひお試しください。