不確実性=ストレスは間違い?集中力・学習力・幸福度を高める6つの理由
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不確実な状況ってのは、誰にとっても嫌なもんでございます。「この仕事を続けていて大丈夫だろうか…」「パートナーとの関係はうまくいくだろうか…」「健康診断の結果、悪いものが見つかったらどうしよう…」って感じで、未来の不確実性を気にしながら生きている人は多いでしょう。
ただし、このブログで過去にお伝えしたとおり、不確実性が嫌だからといってすぐに安易な答えに逃げていたらメンタルを病むのは間違いないわけです。困ったもんですなぁ。
でもって、近ごろ「不確実性」に新たな知見が出てまして、テキサス工科大の先生方は「不確実性はむしろ人生の楽しさを増してくれる!」って仮説(R)を提唱してたんですよ。これが非常に勉強になるので、内容をチェックしておきましょう。
この研究は、「不確実性」のポジティブな側面に注目したレビュー論文で、先行研究をたくさんまとめたものです。その結果として、どうやら「不確実性」にはいくつかのメリットがあるみたいなんですな。どんなメリットがあるのか、簡単に見てみましょうー。
不確実性のメリット1. 集中力が高まる(注意の向上)
- 人間の脳は新しくて未知のものに対して強く反応するようにできている。これは進化の過程で獲得された能力で、環境の変化に素早く適応するための仕組みである。たとえば、外国を歩いているときなどは、注意力が研ぎ澄まされ、周囲の様子をよく観察するはず。これと同じで、不確実な状況では脳が「今、何が起こっているのか?」を理解しようとするため、集中力がアップするのだと考えられる。
- なので、この効果を利用すれば、日常の中でも意識的に「新しい刺激」を取り入れることで、注意力を鍛えられるかもしれない。たとえば、以下のような介入で、集中力を高められるかもしれない。
- 通勤ルートを変える(毎日同じ道を歩くと、脳が慣れるんで)
- 新しいジャンルの本を読む(普段読まないジャンルの本は、脳に新たな刺激を与えるんで)
- 異業種の人と会話する(知らない世界の話を聞くことで、集中して情報を吸収しようとするんで)
不確実性のメリット2. 学習が加速する(学習効果の向上)
- 「試験の内容が事前に分かっているテスト」と「どんな問題が出るか分からないテスト」、どちらのほうが真剣に勉強するでしょうかと言われれば、ほとんどの人が後者を選ぶはず。これは、不確実性が「もっと学ぼう!」という意欲を引き出すからである。
たとえば、新しい言語を学ぶときに、教科書通りのフレーズだけを暗記しても、実際の会話では「予想外の言葉」が返ってくることが多い。この「何を言われるか分からない」状況が、実践的な学習を促進するのだと考えられる。
- そのため、学習効果を高めたいなら、以下のような工夫をすると良いかもしれない。
- 予測できない環境で学ぶ(例:外国人と会話する、即興でスピーチをする)
- 問題の答えをすぐに調べず、自分で考えてみる(脳を鍛えるために、あえて少し迷う時間を作る)
不確実性のメリット3. 嫌なことを忘れられる(不安の軽減)
- 「サスペンス映画を観ていたら、嫌なことを忘れられた」という経験は誰にでもあるはず。実は、不確実な状況に直面すると、脳はそのことに集中するため、他のストレスを感じにくくなります。たとえば、サッカーの試合がPK戦になったとき、私たちはその瞬間に釘付けになり、他の悩みごとを考える余裕がなくなるものです。
- つまり、不確実性をうまく活用すれば、ストレスを減らす「気晴らし」としても機能するのです。
不確実性のメリット4. 娯楽をより楽しめる(エンタメの満足度アップ)
- 「ネタバレを知ってしまうと映画がつまらなくなる」って経験はよくあること。試合の結果が分かっているスポーツ中継や、オチを知っているミステリー小説は、あまり面白く感じないのは、不確実性がワクワク感を生み出し、楽しさを増幅させるからである。
不確実性のメリット5. 努力を引き出す(モチベーションアップ)
- 「新しい恋愛は燃え上がるのに、結婚すると冷めてしまう」ような状況もよく聞くが、これは不確実性が人間の努力を引き出すメカニズムと関係している。このような現象が起きるのは、恋愛の初期段階では、「相手が自分を好きかどうか分からない」という不確実性があるため、人はより一生懸命にアプローチするようになるからである。
- 一方で、「この人はもう自分のものだ」と確信すると、努力を怠りがちになるため、長続きする関係を築くには、「ちょっとした不確実性」を演出するのが大切だと言える。
不確実性のメリット6. 感情の盛り上がりを増幅する(ポジティブな気持ちを強める)
- たとえば、誰かから「秘密のプレゼント」をもらったとき、そのワクワク感は普通のプレゼントよりも強くなる。これは、不確実性が「感情の強度を高める」効果を持つからである。
ってことで、いろいろ書いてきましたが、ざっくりまとめると「確実性は確かに安心感をもたらしてくれるが、そればかりだと人生は退屈になりがちなので不確実性の力が必要」って感じになるでしょう。まぁ言われてみりゃ当たり前の話なんだけど、不確実性への不安に飲み込まれそうな時には忘れがちな観点ではありましょう。もちろん、巨大すぎる不確実性は前向きに対処すべきので、ときたまに“人生のスパイス”として使うのがよいんでしょうね。どうぞよしなにー。