「ビタミンCは風邪に効かない!」はどこまで本当か
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「テレビでビタミンCは風邪に効かないとやってました。本当ですか?」とのご質問をいただきました。どうも、2014年12月12日の「ホンマでっか!?TV」で、「ビタミンCが風邪に良いは誤解!?」って話が流れたそうで。
ビタミンCでは風邪は予防できない
わたしは未見だったので、あらためて録画を見てみましたが、放送の内容はおおむね事実かと思います。番組で紹介されていたのは2005年の論文(1)で、1940年代から2004年までのビタミンCに関する論文をメタ解析にかけたものでして、かなり信頼性が高い内容になっております。で、その結論は放送のとおりで、ビタミンCを飲んでも風邪は予防できなかったんですな。多くの実験では1日に200〜2,000mgのビタミンCが使われているんですが、いずれの研究でも風邪を引く回数は減らなかったんだそうな。
「でも、ビタミンCを大量摂取したらどうなの?」ってご意見も出そうですが、こちらに関しては1974年の実験(2)がありまして、被験者に1日に4gのビタミンCを飲んでもらったんですが、風邪の発症率にはまったく関係がなかったとか。
風邪を引いた後のビタミンCは有効かも
ただし、シンプルに「ビタミンCが風邪に良いは誤解!」とも言い切れないところもあります。2013年に出た論文(3)によれば、確かにビタミンCで風邪の発症はおさえられないものの、1日2gを飲んだら風邪の治る期間が8〜14%ほど早くなったというんですな。また、こちらは放送で触れられてましたが、上で紹介した論文では、いずれも日ごろの運動量が多い人に対してはビタミンCが超効くことが明らかになってまして、風邪を引く確率がおよそ半分にまで下がるみたい。普段からランニングや筋トレをしている人は、ビタミンCの恩恵にあずかれそうです。
まとめ
ここまでの話をまとめると、- ビタミンCを飲んでも風邪の予防にはならない
- ただし風邪を引いた後に飲むと少し治りやすくなる
- 運動をしている人にはビタミンCは超有効
といった感じです。また、以前にも触れたとおり、ビタミンCの大量摂取は死亡率を減らすってデータもありますんで、風邪には無効だとしても、それ以外の面では役に立つ可能性が結構高い感じ。安くて安全性の高い成分ですし、普段から飲んでおいて損はないかなーとは思います。
credit: Dave Pluimer via FindCC