「適度な酒は体にいい!」が思いっきり否定されちゃった件
昔から「適度な飲酒は健康にいい!」と言われてまして、わたしもずっと信じておりました。なにせ、いろんな観察研究で「1日2杯の酒で心疾患のリスクが下がる」ってデータが出てたもんですから。
従来の研究は統計に間違いがあった
ただし、近年では「たいていの人は酒を飲んでも健康にならないんじゃない?」って論文も出てきまして、やや旗色が変わってきたんですよね。実はアルコールには健康効果がないんじゃないか、と。
そんな状況下、ビクトリア大から出た論文(1)は「適度に酒を飲んでも健康にはならない!」って結論になっててビックリです。
この論文は、アルコールと健康に関する87件のデータを分析した系統的レビュー。つまり、科学的な信頼度がかなり高い論文だとお考えください。
その結果をざっくり抜き出すと、
- 従来の研究データは統計に間違いがあった
- 統計のミスを正すと、酒の健康効果は消えてしまう
というもの。いままでの常識を覆す内容になってますねー。
結局は酒を飲まないほうが長生き
研究者いわく、
アルコールによる健康効果は、研究のデザインと特性によって、明らかにねじ曲げられていた。
とのこと。なんでも、従来の研究は「酒を飲まない人」の定義に問題があったようなんですな。
というのも、これまでの研究では、
- 1日2〜3杯の酒を飲む人
- いま酒を飲んでいない人
の2パターンをくらべて「酒は体にいい!」って結論を出してたんですね。ところが、現時点で酒を飲んでない人たちのなかには、過去に体を壊して酒を止めちゃった人も多いわけです。
当然ながら、体を壊して酒を止めた人たちは、適度に酒が飲める人よりも健康状態が悪く、寿命も短くなっちゃう。そのため、統計上は酒を飲む人のほうが長生きのように見えてしまうんですね。
この統計ミスを正すと酒の健康効果は完全に消えまして、結局のところは、
- 酒をまったく飲まない
- 飲んでも週に1杯以下
という人たちがもっとも長生きするみたい。なんともはや。
まとめ
わたしは酒を止めて2年になるんですが、今回の論文を呼んで、あらためて禁酒を続けようと思ったりしました。
といっても、研究を見てると「1日2〜3杯までなら健康リスクはない」って結論のようなんで、酒好きの方は無理して止める必要はなさそう。あくまで嗜好品とお楽しみください。