カラダに良いオメガ6と悪いオメガ6
オメガ6はどこまでヤバいのか?
いまや美容の世界では「オメガ6はヤバい」が常識。当ブログでも「オメガ6は減らそうね」みたいな話を何度か書いてますね。
が、そこでたまに聞かれるのが、「ナッツの油もダメなの?」みたいな疑問です。実は、ナッツや種子類、食肉なんかにもオメガ6はたっぷり入ってるんですよね。
特にアーモンドなんかは大量に入ってまして、オメガ6が老化の元だというなら、ナッツも避けたほうがいいんじゃないのか、と。オメガ6にはどこまでビビればいいのか?という悩みであります。
この問題に取り組むにあたって、まずは「そもそもなんでオメガ6が悪いと言われるの?」について考えてみましょう。
市販のサラダ油は酸化している
ご存じのとおり、現代人のオメガ6摂取量が増えているのは、大豆や菜種などから抽出したサラダ油の使用が多くなったから。精製油のオメガ6量がハンパないのは有名な話で、パレオダイエットで「まずは油を変えよう!」と言われるもの、そこが原因になっております。
現代のサラダ油がどうやって作られるかと言いますと、
- 原料を有機溶媒につけて油を抽出
- 加熱して有機溶媒を飛ばす
- サラダ油が完成!
みたいな流れ。製造の過程でガツンと油に熱を加えるんで、その時点でオメガ6がガッツリと酸化しちゃうんですね(1)。
何度か書いたとおり、酸化は細胞ダメージに連鎖反応を起こすので、引いては全身を老化させていくことに。あえてイヤな言い方をすると、市販のサラダ油は店頭にならんだ時点で腐っているとも言えましょう。
精製油が病気の発症リスクを高める
さらに、有機溶媒で抽出する際に、ビタミンやポリフェノールなんかが流れ出ちゃうのも切ないところ(2)。その結果、栄養はない割にカロリーだけは多く、しかも老化を進める商品ができあがっちゃうという。
その悪影響はいろんなデータで証明されてまして、
- 精製サラダ油の使用量が多い人ほど心疾患のリスクがあがる(3)
- 定期的にサラダ油を使っていると血圧もあがる(4)
- 酸化ダメージが少ない「高オレイン酸大豆油」を使うと、いっきにコレステロール値が改善する(5)
みたいなところ。まぁこのへんは信頼していいのではないか、と。
ちなみに、この考え方からいえば「コールドプレスなら問題ないんじゃない?」って話になるんですが、そこらへんを調べた研究がほとんどないので何ともいえず。「加熱してないオメガ6ほどいい!」ってのは間違いなさそうですが。
オメガ6自体は悪者ではない
では、精製加工されていない普通のオメガ6はどうなの?って話ですが、この問題に関しては「無罪!」ってデータが多めであります。たとえば有名なのは2012年の系統的レビュー(6)で、過去に出た15件の研究をまとめたところ、
- リノール酸(オメガ6)の摂取量が増えても体内の炎症レベルは変わらなかった
- とりあえず1日に小さじ4杯分までのオメガ6ならまったく問題ない
みたいな感じ。もともとオメガ6は細胞の働きに欠かせない成分なので、それ自体がカラダに悪いわけではないんだ、と。それはそうですよね。
実際、ナッツが体にいいことはかなり実証されてまして、
みたいな感じ。自然の食材にはビタミンEなどの抗酸化物質がふくまれてるんで、こいつがオメガ6の劣化を防いでくれるみたいなんですな。上手くできてますねぇ。
まとめ
そんなわけで、オメガ6自体は悪くないので、安心してナッツを食べようねーという話でした。 その意味では、「オメガ6を減らそう」じゃなくて、たんに「加工されたサラダ油は使わない!」って言ったほうがシンプルでいいかも。
いずれにせよ、「加工食品を減らす」って基本さえ守っておけば、オメガ6のダメージは普通に避けられるかと思います。天然のオメガ6については、カロリーにだけ注意して普通に食べていただければ、と。