「脳トレ」の効果がフルボッコにされて虫の息な件
https://yuchrszk.blogspot.com/2016/10/blog-post_9.html?m=0
もっとも信頼のおける脳トレ評価が出た
こないだも「脳トレってプラシーボじゃない?」 って研究が出たばかりですが、今度はかなり大規模なレビュー(1)で「脳トレはムダ!」と断言されておりました。これはイリノイ大学が中心になって行ったレビュー論文で、過去に出た374件もの脳トレ研究を評価したもの。全体の量は84ページにもわたってまして、これまでに出た脳トレ研究のなかでは最大のボリュームになっております。つまり、現時点ではもっとも信頼のおける脳トレ評価なわけですな。
脳トレをやってもたんに脳トレが上手くなるだけ
というわけで、まずは結論からどうぞ。過去のデータを調べたところ、脳トレを行うと脳トレ自体のパフォーマンスがあがるという証拠はみられた。しかし、その脳トレに似たようなタスクが上達するという証拠は少なく、さらには、脳トレによって日々の認知機能があがるという証拠はほとんどなかった。
たとえば脳トレをプレイし続けた場合は、
- とりあえず脳トレゲームが上手くなるのは間違いない
- ただし、脳トレの暗算ゲームが上達しても、本当に暗算が上手くなるわけではない
- 脳トレをしても、現実に頭が良くなるわけでもない
ってことですな。要するに、脳トレをやってもたんに脳トレが上手くなるだけなんだ、と。うっすらと疑ってはいましたが、あらためて科学の最終宣告が出ちゃいましたねぇ…。
いくら通信空手をやっても強くはなれない
では、なんで脳トレが無意味なのかというと、研究者いわく「文脈から切り離されてる(decontextualised)」だそうな。現実世界のパフォーマンスを改善するには、結局は現実のなかで練習と経験を積むしかなく、リアルとはかけ離れた脳トレをやっても意味がないって話です。いくら通信空手をやっても強くなれないとの同じようなもんですな。
脳トレの時間をもっと有効活用せよ!
というわけで、研究チームは、われわれ消費者にこんなアドバイスをしております。脳トレに副作用はない。しかし、ゲームのために費やされた時間を、もっと有効なことに使ったほうがいいだろう。たとえば、学校の成績をあげるための学習(読書、計算練習、科学、芸術など)、仕事に役立つトレーニング(仕事に必要な知識のアップデートなど)、またはたんに自分が楽しめる活動をすればいい。
もちろん脳トレが心の底から楽しいなら、脳トレゲームをやればよし。ただし、頭を良くするためにイヤイヤ脳トレをしてるなら、そのぶんを趣味に使ったほうがいいわけですね。うーん、納得。