健康食品の宣伝にありがちな3つの問題点:「1000z」の事例から
健康食品の宣伝にありがちな問題点
健康サプリについてご質問をいただきました。
美容院で「1000z」というサプリメントを知り、ネットで見る限りとても良い印象を受けましてそれ以来ずっと飲んでます。
レドキシングのサプリなんですが、このサプリについてパレオさんはどう思いますか??
とのこと。恥ずかしながら「1000z」って商品を知らなかったので、さっそく公式サイトをチェックしてみました。
で、このサプリが主張するポイントは、「疲れない」「二日酔いしない」「目覚めがいい」など。サイトを見ると、4つの特許が飾ってあったり、日本食品機能分析研究所で「SOD酵素の量が確認された」みたいな内容が書いてありまして、いかにも凄そうな雰囲気を醸してますねー(SODは強力な抗酸化物質のひとつ)。
で、まず結論からいくと、申し訳ないですがまったくオススメしないです。というのも、ざっと見る限り、世に出回る健康食品にありがちな問題点をいろいろとふくんだ商品なもんですから。具体的にポイントをみていきましょう。
1.特許ならべまくり問題
特許をならべて「これだけ認められてるんだぞ!」って雰囲気を出すのは定番の手法。いかにも国が認めたような空気を出してますが、これは製法に対する特許なんですよね。
つまり、「この成分とこの成分を混ぜてサプリを作りましたよ」って部分に対する特許なんで、別に目新しい成分は必要ないし、論文で効果が確認されたわけでもなし。そんなわけで、いくら製法特許を見せられてもなぁ…というのが正直なところです。
2.出してるデータが使えない問題
「◯◯研究所で成分量を解析!」みたいな宣伝文句もよく見かけますが、なんせ臨床試験じゃないので、なんの足しにもならない感じ。もし実験をしていたとしても、スパリブのように「参加者がたった4人」みたいな事例も多いんで、メーカーが出すデータが使えたケースってまずないですねー。
ちなみに、今回の「1000z」は「SOD酵素が48,000ユニット!」と宣伝しておられますが、これは「酵素ドリンクの問題」と同じです。なにせ酵素はタンパク質でできてるんで、口から入れると胃の中で分解されるだけなんですよ。SODは体内で作られなきゃ意味がないんですな。
3.主原料のコスパ問題
で、最後が主原料のコスパ問題です。世の健康食品は、平凡な成分を組み合わせて高値を付けてるケースがやたら多いんですよ。
いちおう、今回の 「1000z」に入ってる成分をみていくと、
- 紅景天:当ブログではおなじみな「ロディオラ」のこと。ストレスへの効果は確認されてるものの、血流の上昇に関しては2度の試験で失敗している(1,2)。紅景天を「冷え性に効く」と言ってるブログも多いが、おそらくプラシーボ。
- サラシア:アーユルヴェーダで使われたきたハーブ。効果については「メタバリア」で書いたのと同じ。1日1グラムぐらい飲まないと血糖値は改善しないうえに、やや安全性に不安が残る。
- 麹酵素:酵素なので胃の中でアミノ酸に分解されちゃう。
- アミダグリン:よく健康食品に入ってる成分ながら、特に効果は確認されていない。どころか健康被害の報告も少なくない(3)。
- 岩塩:ただのミネラル。
みたいな感じ。 要するに、まともなデータがあるのは紅景天ぐらいなので、それならもっと安いロディオラのサプリを買えばこと足りるんじゃないかと思われます。
この「平凡な成分を組み合わせて高値で売る」作戦は定番で、「スパリブ」や「メタバリア」なんかも同じパターンですね。もちろん違法じゃないんですが、消費者としてはモヤモヤしちゃうところです(笑)
まとめ
そんなわけで、健康食品にありがちな問題をみてきましたが、これを避けるには、
- 「健康食品」の安全性・有効性情報で主要成分の効果をチェック
- 効果がありそうだったら、主要成分の名前をググって英語名を検索
- その英語名を使ってiHerbで検索
って手順をふめばOKでしょう。これで、たいていはもっと安いサプリが見つかりますんでー。