なぜ酵素ドリンクにお金を払ってはいけないのか?
酵素に関するご質問をいただきました。
ここ数年、酵素を飲んでいます。
一応、完全無添加というエッセンシアというところのものです。
無添加だからと、パレオスタート後もなんの疑いもなく酵素は飲み続けていたのですが…
10日ほどたったときにいつものようにチアシードと共に飲もうとして、ふいにラベルを見たところ、果物以外に米などが入っており、100ミリ中の炭水化物が54グラムと、驚きの糖質量でした。
(中略)
この、酵素とやらは、善でしょうか、悪でしょうか…。 パレオで体調が良くなれば正直いらないのですが、ぜひご意見お聞きしてみたいです!
とのこと。たしかに、「酵素が体にいい!」って話はちょくちょく聞きますねー。
で、結論から言いますと、酵素系の商品を買う必要はまったくありません。といっても、商品にふくまれる糖質が多いからとか、酵素が悪いからといった話ではなく、たんにお金を払うだけの意味がないからです。
というのも、基本的に酵素はタンパク質でできているので、胃の中で完全にアミノ酸に分解されちゃうんですよ。このアミノ酸は、小腸から体内に吸収されまして、肌の材料になったり、筋肉のエネルギーになったり、成長ホルモンの原料になったりします。
これは、リサイクルに出したビール瓶が、再びビール瓶に生まれ変わるとは限らないのと同じようなもので、口から入った酵素が、またヒトの体のなかで酵素になるわけじゃないんですね。
つまり、市販の酵素ドリンクやサプリは、たんに超高額なプロテインパウダーでしかないとも言えまして、それならば普通にホエイプロテインを買ったほうがお得かと思います。
ちなみに、市販の健胃薬などには消化酵素が入ってますが、これは同時に胃酸の働きをおさえる成分も入っているのがポイント。胃の中で酵素が分解されないので、ちゃんと小腸にまでたどりつくんですね。
が、当然ながら、市販の酵素ドリンクにはそんな処理はされておりませんので(なにせ無添加がウリなので)、やっぱり胃酸の壁にブロックされちゃいます。
そんなわけで、酵素系の商品はまったくオススメできず。どうしても酵素ドリンクを飲みたいときは、胃酸をおさえるクスリを一緒に使うと効き目があるかもしれません。って、激しく本末転倒ですが(笑)
credit: peddhapati via FindCC