1日に摂るべきポリフェノールの最適量ってどれぐらい?
ポリフェノールに副作用はある?
「ポリフェノールは大切ですよー。体が若返りますよー」みたいな話をいろいろ書いてたところ、こんなご質問をいただきました。
ポリフェノールの重要性はわかったのですが、どれだけを1日に摂ればいいのかがわかりません。あと、摂り過ぎによる副作用も心配です。基準はあるのでしょうか?
ってことです。ポリフェノールが大事なのは間違いないけど、最適量はあるの?オーバードーズとかないの?って疑問ですね。
ポリフェノールの摂取量と死亡率を調べたら…
結論から言うと、「ポリフェノールってどれだけ摂ればいい?」って問題にハッキリした答えは出てないので、いまのとこは観察データから大まかに推測していくしかない感じです。
具体的には、2014年にバルセロナ大学が行った研究(1)なんかが参考になりそう。7447人の男女を4.8年ほど追いかけた研究で、ポリフェノールの摂取量と死亡率の関係をチェックした論文であります。
ベストなポリフェノール量はこれだ!(ただし暫定的)
その結論をざっと言うと、
- 1日1,235mgのポリフェノールで死亡率が最も低下する
みたいな感じ。1日にこれだけ摂っておけば、ポリフェノールが少ない人にくらべて、早期死亡率が37%も下がるんだそうな。これは素晴らしいですね。
最適なポリフェノールを摂るためのガイドライン
では、「1日1235mg」ってのがどれぐらいのレベルかと言いますと、
- ブルーベリーだったら100〜150g(セブンイレブンの冷凍ブルーベリー1袋ぐらい)
- コーヒーだったら缶コーヒーを2本ぐらい(ボトル缶なら1本で十分)
- ココアだったら30g(大さじ6杯ぐらい)
- 緑茶だったら500mlのペットボトルを2本ぐらい
- ナッツ類だったら100gぐらい(ただしナッツの種類によって量が全然変わるので注意)
- ダークチョコレートなら200gぐらい(板チョコ4枚)
- 赤ワインなら360mlぐらい(グラス2杯ちょっと)
って感じです。ナッツやチョコだとカロリーが気になっちゃいますけど、その他はわりと簡単に達成できるレベルじゃないでしょうか。
特にコーヒーやベリー類は、低カロリーなのにポリフェノールが簡単に摂れていい感じ。缶コーヒーを2本飲めばOKってのは、だいぶ楽ですね。とりあえず、これが現時点での適量と考えていいのではないかと。
ポリフェノールのオーバードーズに関する研究はない
さて、ここで気になるのは、「ポリフェノールに摂りすぎってあるの?」って問題です。
なにごとも過ぎたるは及ばざるがごとし。 抗酸化サプリも飲みすぎれば毒になるように、ポリフェノールの効果だって天井があるんじゃないのか、と。
まことに気になる疑問ですが、残念なことに、いまのとこはまったくわかっておりません。ポリフェノールを摂り過ぎたらどうなるかを調べた研究がないもんですから。
まぁ「摂りすぎれば効果が薄れる」ってのは基本的な法則なので、「ポリフェノールを大量に摂っても意味がないだろうなー」ぐらいの予想しかできない段階なんですね。
ポリフェノールも摂りすぎれば毒になる(と思う)
ただ、ポリフェノールが体にいい理由を考えると、おそらく摂り過ぎは毒だろうなーとも思うわけです。というのも、ポリフェノールってのは、「ホルミーシス効果」を使って体に作用してるんですよ。
どういうことかと言うと、
- ポリフェノールが体に軽度のストレスを与える
- 軽度のストレスにより体が「がんばるぞ!」と張り切る
- 体が元気になる!
みたいな仕組み。つまり、そもそもポリフェノールって、体にとっては「軽い毒」として働いてるわけです。
まとめ
となると、普通に考えればポリフェノールを大量に摂れば「重い毒」になっちゃう可能性が大。その上限はまったくわからないものの、無闇にポリフェノール系のサプリを飲むのは危険かもしれません。
そのへんが心配な方は、とりあえず上で紹介した「1日1,235mg」の基準を守っておけば確実。個人的にはもうちょい多くてもいいような気もしてますが、とりあえずの参考として。
もっとも、そう言いながらも私はポリフェノールを1日に5,000mgぐらい摂ってたりもします。これは体のことを考えての話ではなく、たんにベリー類が好き過ぎるからです(笑)。もうちょい減らしたほうがいいんだろうか…。