仕事をついダラダラ先延ばししてしまう!の最大の原因がわかったかもしれない件
仕事をダラダラやると死ぬ
といっても、なかなか目の前の仕事に手をつけられず、ダラダラとネットを見たりしちゃうのが人情。先延ばしの根っこを理解しないことには、なかなか対策もしづらいものです。
先延ばしは意思力の問題ではない?
ってことで近ごろ見た論文(1)は、「なぜ先延ばしが起きるのか?」の問題を調べてくれてて参考になります。一般的に、先延ばしというと「意思力がない!」とか「怠け者だ!」みたいな話になりがちなんですが、ここではまったく別の原因が想定されてるんですよ。
実験は750人超の男女を対象にしていて、まずは全員がふだん「どれだけ大事なことを先送りするか?」をチェック。そのうえで、みんなのストレスレベルや性格を調べて、先送りレベルを比較したんですね。そこで何がわかったかと言いますと、
- 先延ばしが多い人ほどセルフコンパッションが低い!
ってことです。セルフコンパッションってのは、ざっくり言えば「自分にやさしくできるか?」を表す言葉でして、この論文の定義ですと、
- 自分のミスを必要以上に責めずにやさいい態度が取れるか
- 「先延ばし」をするのは自分だけでなく、多くの人によくある現象だとちゃんと認識できるか
- 自分のトラブルや困難を、必要以上に自分のせいにせず、より大きな視点から見られるか
ぐらいの感じです。よりくわしい考え方については「自信を持ちたい!とか言う前に、まずは「セルフコンパッション」から鍛えるべし」などをご参照ください。
セルフコンパッションの低さが先延ばしにつながる理由
もちろん、これだけだとどっちが卵でニワトリなのかはわからないんだけど、いまのところの推定としましては、
- 先延ばしをする
- 自分を責める
- ストレスが増加
- 反すう思考(自分のダメさや過ちをダラダラ思い返す思考)のほうに脳のリソースが向かう
- さらに先延ばしが始まる
- 1番にもどる
みたいな負のループが考えられております。確かに、ストレスでメンタルが悪化すると失敗を怖がる気持ちが大きくなり、リスクを取りにくくなるって傾向は昔から確認されてますからねぇ。
セルフコンパッションを鍛えるには?
研究者いわく、
過度の自己批判や「先延ばしなんてするのは自分だけだ」という気持ちは、私たちに大きなストレスをあたえる。このストレスが、慢性的に先延ばしを行う人の幸福感を減少させていく。
セルフコンパッションは、自己批判にともなうネガテイブな影響を取り除く良い手法になり得るかもしれない。
とのこと。セルフコンパッションの訓練を積めば、先延ばしの地獄ループに介入できるのではないか、と。
ちなみに、2010年の実験(2)でも、「自分を許すようにトレーニングした人は先延ばしがなくなったよ!」って結果が出てまして、やはり使えそうな感じは濃厚。具体的な方法としましては、
あたりをご参照ください。また、本格的にセルフコンパッションに取り組んでみたい方には、「実践 セルフ・コンパッション」などをおすすめします。認知行動療法ベースでセルフワークが充実してますんで。