本当にデトックスがしたいなら、とりあえず「あれ」を増やして見たら?という研究
昔からよく「デトックスグッズは無意味だよ!」なんて話をよく書いてるわけです。というのも、結局のところ、人体の解毒を行なっているのはおもに肝臓と腎臓の2つなんで、なんかミラクルな成分で悪いものを外に出すことを考えるよりは、ちゃんと内臓が働くように導いてやるのが確実なんですよ。というか、本当にデトックスを気にするなら、肝臓と腎臓をいたわるしかない、と言いますか。
では、具体的にどうすれば?って話ですけど、「腎臓の機能を上げるならこれだ!」って論文(1)が参考になります。
これはイランの大学が行なった研究で、1630人の男女を6.1年ほど追いかけた観察研究です。長い期間にみんなの腎臓がどうなるかをチェックしたうえで、何がもっとも大事なポイントなのかを調べたんですな。
そもそも腎臓にダメージを与える要素はいろいろありまして、
- 高血圧
- 高コレステロール
- タバコ
- 塩分の取りすぎ
- ビタミンC 、マグネシウム、カリウムの不足
あたりが有名なところ。しかし、いまのところの食事ガイドラインでは、「腎臓の働きを保つためにはどうすりゃいいの?」ってとこはまだハッキリしてなかったんですよ。
ってことで今回の研究になったわけですが、さまざまな要素の中からもっとも大事だったのが、
- とにかく食物繊維を増やすべし!
だったんですな。他の重要ポイントと比べても、食物繊維の摂取量はかなり腎臓の健康と相関してまして、増やせば増やすほど機能が衰えにくい傾向がはっきり出てるんですよ。そうかー、ここでも食物繊維か。
では、腎臓をいたわるために必要な食物繊維がどれぐらいかと言いますと、
- 1日26g以上で腎臓の劣化リスクが50%下がる!(1日の摂取量が17.7g以下の人と比べた場合)
だったそうです。さらに細かくいうと、1日の食物繊維を5g増やすごとに腎臓病のリスクが11%ずつ減る傾向があったそうで、これまた非常にナイスですねぇ。
ただし、ここには注意点もありまして、
- 野菜で食物繊維を増やした場合は腎臓が衰えにくくなる
- なぜかフルーツや穀類(玄米とか全粒粉とか)だと相関が出てこない
って傾向もあったらしい。ここらへんはよくわからんのですが、「野菜のほうが腎臓の機能を下げるリスク要因(糖尿病とか高血圧とか)の改善に効きやすいからじゃない?」と研究チームは推測しておられます。メカニズムは謎ではありますが、いまのとこは野菜で食物繊維を摂ったほうが良さげ。
もちろん、この研究だけだと「これで決まり!」とは言えないんですけど、過去のメタ分析でも腎臓と食物繊維の関係はハッキリ出てまして、とりあえず増やしとけば良さげ。食物繊維を増やして悪いことってほとんどないですからね。
ちなみに、これは腎臓の研究でしたが、肝臓については「コーヒーこそ最強のデトックス飲料だ!説」なんてデータが出ております。つまり、
- 腎臓には食物繊維!
- 肝臓にはコーヒー!
って組み合わせを意識しておくと、真のデトックスがはかどるのではないかと思う次第です。どうぞよしなに。