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足の筋肉を重点的に鍛えたい人に最適かもしれない「レストポーズ法」とは?

Streangth

 

このブログではいろんなトレーニングテクを紹介してるわけですが、今回は「レストポーズ法」ってのを取り上げてみようかと。

 

 

これは1960年代からメジャーになった手法で、ひとつのメニューを細かいサブセットに分けつつ、短い休憩をはさみながら行います。たとえば、

 

  1. あらかじめ「100kgのベンチプレスを全部で20回やるぞ!」と決めておく
  2. もし8回やって疲れたら10〜30秒だけ軽く休憩
  3. さらにベンチプレスを続け、もし今度は4回で疲れたらまた10〜30秒だけ軽く休憩
  4. このプロセスをくり返して、ベンチプレスの総回数が20回になるまで続ける

 

みたいな感じっすね。事前に「1セット8〜12回を3セットやるぞ!」と固定するんじゃなくて、トータルの回数だけ決めておくわけですな。

 

 

筋トレユーザーのあいだでは「停滞期の突破にいい」とか「筋力アップにいい」などと言われてまして、それなりに人気が高い印象。わたしもたまーに使ってる手法であります。

 

 

なんで急にこんな話をしだしたかと言いますと、近ごろ「レストポーズ法」の効果を確かめた良い論文(1)が出たからです。

 

 

これはカトーリカ・デ・ブラジリア大学の実験で、18人の男女が対象。みんな1年以上の筋トレ歴を持ち、普段は1セット8〜12回を3〜4セットずつ行う定番のトレーニング法を採用してたらしい。

 

 

実験では全体を2つのグループにわけてまして、

 

  1. 定番の筋トレ1RMの80%の負荷で6回 × 3セット。セット間の休憩は2〜3分
  2. レストポーズ:1RMの80%の負荷で、1メニューごとに18回を行う。「もう体が動かない!」と思うたびに20秒ずつの休憩を入れる

 

って感じになっております。トレーニングは週4のペースで、

 

  • 月曜日と水曜日に胸、肩、二の腕を鍛える
  • 火曜日と木曜日に足、背中、力こぶを鍛える

 

みたいに設定したらしい。実験の期間は6週間で、そこから2つのグループにどんな違いが出たかと言いますと……

 

  • 筋力:筋力の発達については両グループとも目立った違いはなし
  • 筋肉量:足の筋肉量はレストポーズグループのほうが増えていた(11% vs 1%)。胸と腕には差がなかった
  • 筋持久力:レッグプレスの疲れにくさはレストポーズグループのほうが増えていた(+27±8% vs +8±23%)。ベンチプレスとバイセップカールには違いなし
  • 体型:体脂肪率には両グループには違いがなし

 

だったそうな。下半身のトレーニングにははっきりした差が出てますねー。

 

 

まぁそこまで劇的な違いではないんで、あとは好みで使うべきではありましょう。具体的には、

 

  • 足の筋肉にこだわりたい人
  • 伝統的なトレーニングで筋肉の発達が停滞した人
  • 1回のトレーニングの時間を短くしたい人

 

などは試してみてもよいのではないかと思う次第です。わたしも「いつものトレーニングスタイルに飽きたなー」みたいなときには使ってる感じですね。

 


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1976年生まれ。サイエンスジャーナリストをたしなんでおります。主な著作は「最高の体調」「科学的な適職」「不老長寿メソッド」「無(最高の状態)」など。「パレオチャンネル」(https://ch.nicovideo.jp/paleo)「パレオな商品開発室」(http://cores-ec.site/paleo/)もやってます。さらに詳しいプロフィールは、以下のリンクからどうぞ。

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