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体に良いベジタリアンと体に悪いベジタリアンの違いはこれだ!みたいな観察研究の話

Vegetable

 

ベジタリアンって体にいいの?」って議論は、以外とまだ決着がついてない話題だったりします。

 

 

もちろん野菜が体にいいのは疑いがないわけですが、いっぽうでは栄養が不足しがちな面もあるんですよね。そんなわけで現時点では、「野菜をいっぱい食べるのはいいけど、それだけだと足りない面もあるから気をつけてね!」ぐらいが落としどころになってるかと思われます。

 

 

で、新しいデータ(1)では、「体にいいベジタリアンと悪いベジタリアン」の違いについて触れてておもしろかったです。

 

 

これはハーバード大学の研究で、当ブログではおなじみの「NHS」と「HPFS」っていう2つのデータセットを使っております。看護婦さんと健康産業の従事者を追っかけた巨大な統計データで、今回の調査では209,298人分のサンプルを採用してるんですな。

 

 

調査ではみんなの食習慣を調べてまして、まずは「野菜インデックス」ってのを作ったそうな。当然、この数値が大きいほどベジタリアンに近くなり、小さいと肉の摂取量が多めだと判断されるわけっすな。

 

 

さらに、ここで研究チームはインデックスを2パターンに分けております。

 

  1. 健康野菜インデックス:野菜、フルーツ、ナッツ、オリーブオイル、お茶などが多いほど高得点
  2. 不健康野菜インデックス:ケーキ、ポテチ、スイーツなどが多いほど高得点

 

当然、ひとくちに「ベジタリアン」と言っても食事のうちわけは違いますんで、そこらへんを調べたたらどうなるか?ってとこを見たわけですな。

 

 

そのうえで、タバコ、運動量、病歴といった要素を調整したところ、こんな結果になりました。

 

  • 野菜インデックスが高いほど心疾患が起きるリスクは減る……が、ハザード比は0.92ぐらいでかなり心もとない
  • しかし、健康野菜インデックスだけで見ると、この数値が高い場合は、数値が低い人より25%も低下する
  • 「不健康野菜インデックス」が高い場合は、低い人にくらべて32%も悪化する

 

ってことで、「そりゃそうでしょう」みたいな結果になっております。たんにベジタリアンといっても、ちゃんと加工食品を減らさないと意味がないわけですな。

 

 

もちろん、これはセルフレポートをもとにした研究なので、その点では精度が甘くなっちゃうわけですが、

 

  • やっぱ野菜とフルーツは普通に偉大(なにせ心疾患リスクの低下がハンパない)
  • 肉を減らすというよりは、加工食品を減らしたほうがメリットがデカい

 

ってポイントをあらためて示してくれた点で、ありがたいデータだとは申せましょう。


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1976年生まれ。サイエンスジャーナリストをたしなんでおります。主な著作は「最高の体調」「科学的な適職」「不老長寿メソッド」「無(最高の状態)」など。「パレオチャンネル」(https://ch.nicovideo.jp/paleo)「パレオな商品開発室」(http://cores-ec.site/paleo/)もやってます。さらに詳しいプロフィールは、以下のリンクからどうぞ。

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