「なんか気分が上がったり下がったりするなー」をコエンザイムQ10がやわらげるかもよ!という実験
コエンザイムQ10ってサプリがありますな。ミトコンドリアがエネルギーを作るときに必要な成分なんで、不足すれば妙に元気がなくなったり偏頭痛が起きたりと、いろんな問題が起きがちなわけです。
なので、「激しい疲れが取れない……」とか「頭痛がヒドい……」みたいな方は飲んでもいいのかも、とは思っております。
ただ、だからといって、みんながサプリを飲むべきかと言うと難しいところで、過去のデータだとコエンザイムQ10が足りてる人についてはたいした結果は出てないもんですから。サプリの世界ではよくある話ですよね。
で、新しいデータ(1)は、「コエンザイムQ10で双極性障害が良くなるかもよ!」って話になってて、ちょっとおもしろい感じでした。
これはハマダン大学の研究で、双極性障害に悩む69人の男女が対象。双極性障害ってのは気分が大きく上がり下がりしちゃう状態で、あるときはやたら元気だったのに、いきなりうつ病みたいになったりするんですな。
これは、決定的な対策がない難しい症状なんですが、近ごろよく言われるようになったのが「双極性障害ってミトコンドリアの問題なんじゃないの?」って話です。
つまり、ミトコンドリアがうまくエネルギーを作れなくなったせいで、脳の活力が上がり下がりしてしまい、結果としてメンタルの変動につながっていくんじゃないか、と。昔からミトコンドリア とメンタルの関係はよく指摘されてましたんで、あり得る話だなーとか思うわけです。
ならば、ミトコンドリアの活性に役立つコエンザイムQ10を使えば、双極性障害もやわらぐんじゃないの?ってのが今回の研究の問題意識になっております。
実験は8週間で、全体を2つのグループに分けました。
- 1日200mgのコエンザイムQ10を飲む
- ニセサプリを飲む
って感じで、MADRS(うつ病の診断テスト)にどんな変化が出るかを見たんだそうな。
そこでどんな違いが出たかと言いますと、
- 4週目の時点までは両グループに差はなかったが、8週目の時点ではプラシーボより21%ほどメンタルが改善していた
- コエンザイムQ10を飲んだグループの72%は、うつの症状が50%ほど改善していた
- ちなみに、4週目の時点では、ニセサプリを飲んだグループも結構うつ状態が改善していた
みたいになってます。あいかわらずプラシーボの凄さも目立ちますが、これは思いのほかよい結果ではないでしょうか?
まぁこの研究では、被験者のバイオマーカーを調べてないんで、果たしてコエンザイムQ10がどんな役割を果たしたのかは不明ではあります。ただ、コエンザイムQ10とメンタルの改善を調べたデータってあんまないので(たぶん他に2つぐらいしかないはず)、なかなか貴重ではないかと思った次第です。
とりあえず、気分がやたらと変動する!みたいな人は、1日200mgぐらいから試してみてもいいのかもですなぁ。