コエンザイムQ10で激しい疲れが改善する!…かも
ここ数年、熱いトピックなのが「慢性疲労」であります。どんなに休んでも激しい疲れが取れない症状で、最近では「努力不耐症」なんて新しい言葉も出てきたり。
当ブログでも慢性疲労の大まかな原因をいくつか紹介してますが、いまのところ決定的な治療法はないんで、手探りでいろいろ試していくしかない感じ。実際、わたしも10年前は激しい慢性疲労に悩んでましたが、手当たり次第に生活を改善していったらいつの間にか治ってたイメージであります。
で、近ごろ出た論文(1)は、「コエンザイムQ10で疲労が軽減!」って結論が出てまして、ちょっと参考になりました。コエンザイムQ10はミトコンドリアがエネルギーを生み出すのに必要な成分なんで、不足すれば当然ながら元気は出ないわけです。
これは日本で行われた実験で、慢性疲労症候群だと診断された男女43名を対象にしたもの。全員に150mgの還元型コエンザイムQ10を1日3回にわけて飲んでもらったそうな。
すると12週間後、コエンザイムQ10を飲んだ参加者は、
- 全体的にうつの症状が軽減していた
- 計算の作業パフォーマンスが上がった
- 夜中に目が冴えてしまう現象が改善
- 自律神経の機能が改善
みたいな感じ。まぁ実際の数値を見ると、決して劇的な改善があったわけではないんだけど、それなりの効果は確認されたみたい。
こういった現象が起きる理由はよくわからんのですが、おそらくはコエンザイムQ10の抗酸化機能のおかげでミトコンドリアの性能が改善するのが大きいみたい。やっぱミトコンドリアは大事にしないといけませんな。
が、この研究には注意点もありまして、
- 慢性疲労の患者さんは、みんな体内のコエンザイムQ10のレベルが超少ない
- そもそも、まったく効果が出なかった参加者もチラホラいる
といったあたりが難しいところ。とりあえず、過去の研究では「コエンザイムQ10gが足りてる人がサプリを飲むのは無意味」ってデータのほうが多いんで、かなりの慢性疲労じゃないと意味がなさそうではあります。
というわけで、普通に健康な人が疲労回復のために コエンザイムQ10を飲むのは推奨できず。いっぽうで、長期にわたって慢性疲労に悩んでいるような人なら試してみる価値はありそうです。
まぁ個人的には、ミトコンドリアを活性化させるならエクササイズのほうが優秀かなーと思います。実際、近年では「段階的に運動をしていけば慢性疲労は治る!」ってデータ(2)もありますんで、「NEATを増やして体脂肪を減らすためのガイドライン」などを参考に日ごろの活動量を増やしていくほうがオススメ。