乳酸菌LP28なら死んだ菌でもダイエットに効く!かもしれないぞ
乳酸菌LP28なら死んだ菌でも効くの?
昔から「乳酸菌はダイエットに役立つ!」って主張があるいっぽうで、「乳酸菌なんて飲んでも意味がない!」なんて説もよく耳にします。具体的には、
- 乳酸菌は腸内の痩せ菌を増やすから体脂肪が減る!
って話と、
- 乳酸菌は胃酸で死ぬから効果が出るはずがない!
みたいな話がせめぎあってたんですね。
ってところで、近ごろ出た実験がとても参考になるのでした(1)。これは広島大学の実験で、62名の男女を対象にしたもの。BMIは25〜30ぐらいで、わりとぽっちゃり目な人を集めたみたい。
実験では、全員を以下の3グループにわけたんですね。
- デンプンのパウダーだけを飲む
- デンプン+生きた乳酸菌(LP28)を飲む
- デンプン+死んだ乳酸菌(LP28)を飲む
LP28は昔から「肥満に効くんじゃない?」と言われてきた菌で、マウス実験では脂肪肝や体脂肪の改善が確認されてたんですね。それを、今回はヒトを対象にしつつ、「生きた菌」と「死んだ菌」の2バージョンで効果をチェックしたところがポイント。
死んだ乳酸菌のほうが効果が大きかった
で、12週間後の結果は、
- 死んだ乳酸菌を飲んだグループは、
- 体脂肪が3%減!
- 体重が1.2kg減!
- ウエストが2%減!
- BMIは0.3%減
- ところが、生きた乳酸菌を飲んだグループには変化がなかった
- 空腹時血糖値、コレステロール、ホルモンなどは、すべてのグループで変化がなかった
みたいな感じ。なんと、生きた乳酸菌では変化が出ず、死んだほうが効果がデカかったらしい。うーん、ビックリ。「生きた乳酸菌が腸まで届く!」みたいな宣伝文句はなんだったのか(笑)
なんでこんな結果が出たのかは不明。研究者もハッキリした説は主張しておらず、「まぁ用量と期間を変えたら違う結果が出るかも…」ぐらいの意見にとどまっております。
ただ、生きた菌と死んだ菌の効果の違いについては、以前からいろいろと言われてたりもします。たとえばケンブリッジ大のレビュー論文(2)によると、
- 生きた菌:腸内フローラの構成や免疫反応に変化を起こす
- 死んだ菌:消化器官の炎症を抑える作用が高い
みたいな差はあるみたい。今回の広島大学の実験では、参加者の炎症レベルは計測してないんで、そのへんを調べてみたらまたおもしろいのかもですな。
そんなわけで、LP28にダイエット効果がある可能性は高そう。LP28を使った商品といえば「あせひら LP28」が有名ですが、普通にキムチやザワークラウトを食べたほうがが手軽でよいかと思います。
とくにキムチは研究例が多くて、体脂肪が減りやすくなったなんてデータ(3)もありますんで、積極的に取り入れていくと幸せになれそうです。