腸内細菌サプリで「不安」は減るのか?にとりあえずの結論が出たよー
ここんとこ「腸内が悪化すると鬱病になるんじゃない?」みたいな話をよく見かけるわけです。なにせ人間の腸ってのは外敵から身を守る働きをしてますんで、
- 腸内の環境が乱れる
- 腸のバリア機能が破れる
- 体内に毒素が侵入
- 体に炎症が起こる
- 鬱病に!
みたいな流れでメンタルが悪化しちゃうケースがあり得るんですよ。
というわけで、「それならプロバイオティクス(腸内細菌サプリ)を飲めばいいんじゃない?」って発想になるのは当然のこと。最近は「本当にメンタルに効くプロバイオティクスはどれだ?」なんて検証も行われていて、おもしろい結果が出てたりします。
ただ、「プロバイオティクスでメンタルか改善するか?」ってのは超新しいテーマなんで、どれほどの変化が見込めるのか(または見込めないのか)はまったくの未知数ではあります。特に腸ってのはまだまだわかってないことが山盛りなんで、なかなかリサーチも難しいんですよね。
……なんだけど、新しくでたデータ(R)は、「とりあえず現時点でプロバイオティクスで本当にメンタルが改善するかを確かめてみよう!」って内容になってて参考になります。
これはカンザス大学の研究で、過去14件のデータを使って「プロバイオティクスで不安は改善するの?」って問題を調べたメタ分析です。そのうち8件は健康な成人が対象で、残りはIBSの患者さんにプロバイオティクスを飲んでもらっております。
さらに、実験ではどんな腸内細菌が使われたかと言いますと、
- 乳酸菌
- ビフィズス菌
- ペディオコッカス
などなど。大半の研究では乳酸菌が使われてますね。
では、結論です。
- プロバイオティクスは、マウスやラットの場合は、そこそこのレベルで不安を減らしてくれる (SMD: -0.47)
- ヒトの不安の場合は、SMD: -0.12のレベルで不安を減らしてくれる
ってことで、動物に対してはかなり良い成績が出てるのに、ヒトにはショボい効果しか確認されておりません。うーん、これは超微妙。まぁそもそも動物とヒトだと不安の計測方法が違うんで、比べてもしょうがない気もしますが。
そんなわけで、とりあえず「不安対策のためにプロバイオティクスを飲むべきか?」って問題については、
- データ不足でハッキリした答えは出せないものの、現状、手放しで「おすすめ!」とはとても言えないレベル
- それでも試してみたければ、ラクトバチルス・ラムノサス(もっともメジャーな乳酸菌)が入ったものをどーぞ
って感じです。いちおうサブグループ分析では、4種の菌のなかではラクトバチルス・ラムノサスが一番の好成績を出してるんで、実験してみるならコレでしょうね。