「意見を簡単に変える vs. 意見を変えない」周囲の印象が良いのはどっちだ?みたいな実験の話
https://yuchrszk.blogspot.com/2019/11/vs.html?m=0
「意見を変えない頑固なやつ」というとなんだかひたすら困った人のような印象がありますけど、「実は相応のメリットもあるよ!」みたいな内容のデータ(R)が出ておりました。「イヤなやつほど仕事がデキる」で有名なフランチェスカ・ジーノ先生のお仕事であります。
これがどんな研究だったかと言いますと、まず実験の参加者を「起業家」と「投資家」の役に割り振ったうえで、以下のような指示をしてます。
- 起業家を演じるグループ全員に「自分のビジネスアイデアを揺るがす情報」を見せる
- 起業家グループを半分にわけ、一方には「自分の意見を変えた!」と表明してもらい、残りには「自分の意見は揺らがない!」と表明させる
- その姿を投資家グループに見せて、どんな印象を抱いたかを採点してもらう
って感じです。意見を簡単に変えた人と変えない人では、第3者からの印象にどのような違いがあるのか?って問題っすね。
でもって、その結果をざっくりまとめるとこんな感じになります。
- 意見を変えた人に対して、多くの参加者は「この人は自信はないが頭はいいんだろうな」と判断した
- 意見を変えなかった人に対して、多くの参加者は「この人は知性はいまいちだが自信に満ちあふれてるな」と判断した
つまり意見を変えないことにも一定のメリットがあるんじゃない?ってことで、なんかよくわかる話ですね。
実際、この研究では、以下のような結果も出てたりします。
- 頭の良さが重視される仕事(応用化学とか)では、意見を変えた人を「重んじるべきだ!」と判断されるケースが多かった
- 自信の高さが重視される仕事(スピーカーとか)では、意見を変えない人も重んじられた
ということで、こちらも納得の内容ではないでしょうか。意見を変えることに対してどう思うかは、その時の状況に左右されるわけっすね。要するに、この研究が正しいならば、
- 知性をアピールしなければならない場面では、意見を簡単に変えたほうが良い
- 自信をアピールしなければならない場面では、意見を簡単に変えないほうが良い
みたいな感じになりましょうか。まぁ現実には知性と自信を同時にアピールせにゃならん場面も多いんで、そこらへんのさじ加減は難しいとこですけどね……。