シトルリンと硝酸塩を組み合わせたら最強の運動サプリになるかも?仮説
https://yuchrszk.blogspot.com/2020/12/blog-post_26.html?m=0
運動のパフォーマンス改善に効く成分として、
なんてのを、これまで当ブログでは取り上げてまいりました。この2つが運動に効くのは「一酸化窒素」って物質を生んでくれるからで、くわしくは「よいこのための「一酸化窒素」入門」をどうぞ。
でもって、さらに新しい研究(R)では「シトルリンと硝酸塩を組み合わせたら最強なのでは?」ってあたりを調べてくれていて、非常に使えそうな内容になっておりました。
まずは実験デザインを見てみると、以下のような感じになります。
- 参加者は健康と男性と女性12人ずつ(18〜30歳)
- 参加者の半分にシトルリン6gと硝酸塩520mgを飲んでもらい、残り半分にはプラセボサプリを飲んでもらう
- サプリメントの投与期間中、参加者は筋トレ、インターバルトレーニング、有酸素トレーニングを週に3回行う
- 筋力と筋持久力の変化をチェックする
というわけで、シトルリン+硝酸塩が運動パフォーマンスをどこまであげてくれるかを調べたわけです。その他のポイントとしては、
- 運動の内容
- 高強度サイクリング(最大有酸素パワーの80~100%で20~120秒の運動)
- レッグエクステンション(1RMの60~90%を使って1セットあたり3~9レップス)
- サーキットトレーニング(30秒の運動と20~30秒のリカバリーを交互に行う)
- サプリメントの摂取タイミングは、トレーニングの少なくとも4~6時間前の朝
みたいになってます。その結果がどうだったかと言いますと、
- サプリメントを飲んだグループは、プラセボグループに比べてレッグエクステンションの成績が有意に大きかった(p = 0.008)
- サプリメントグループは筋持久力の改善も大きかったが統計的に有意ではなかった(p = 0.092)
- サプリメントグループはVO2maxと最大パワーも大きかったが、やっぱり統計的に有意ではなかった(それぞれp = 0.168とp = 0.286)
- どちらのグループも体重に大きな変化はなく、心血管系、呼吸器系、組織酸素飽和度にも大きな違いは見られなかった
みたいになってます。まー、個人的には「そこまで大したレベルじゃないけど、そこそこ使ってみてもいいのかな?」ぐらいの印象ですね。
ただ、今回の研究については色々と注意点もありまして、
- 過去のデータでは「硝酸塩の効果って披露時にしか効かないのでは?」って報告(R)も出てる
- シトルリンと硝酸塩が筋肉のパフォーマンスが上がるメカニズムはよくわからない(心血管や酸素の飽和度などに違いが出てないので、どうも血流アップとは関係ないっぽい)
- 過去には、シトルリンや硝酸塩で効果がなかったとの報告もあるが、これはサプリメントの摂取期間が短かったからかもしれない(1週間ぐらいの結果をみたデータが多いのに対して、今回の最新版は8週間の違いを見てる)
といったあたりは注意しておきたいところです。以上をふまえたうえで個人的な感想としましては、
- とりあえずクレアチンを試してみて、もし余裕があるならシトルリンと硝酸塩を試すのもいいかも
- 硝酸塩サプリはろくなものがないので、ほうれん草とかビーツを使ったほうがいいよ!(400〜800mg)
- シトルリンのサプリは1日8gずつ、運動の90分ぐらい前に飲んでおくと効果が出やすそう
ってとこですね。硝酸塩は野菜から十分取れますし、シトルリンも高いもんじゃないので、よしんば効果がなくてもそこまで痛くはないかな、と思っております。