ルックスのレベルに差があるカップルはなぜ生まれるのか?という疑問について
「美女と野獣みたいなカップルはなぜ生まれるのか?」みたいな問題を調べたデータ(R)がおもしろかったんでメモ。
これはテキサス大学オースティン校などの研究で、だいたいこんなデザインになってます。
- 167組のカップルを集める(交際中のカップル67組、結婚しているカップル100組)。カップルの交際期間は3カ月から53年で、平均交際期間は8年8カ月
- みんなが、どれぐらい友人関係の期間を経て交際にいたったかを調べる
- 第三者が参加者のルックスをチェックして魅力度を判定し、上のデータと比べる
要するに、この研究チームは、「交際前の友人としての期間が長いかどうかで、見た目の違いが生まれるんじゃないか?」と考えたわけです。
というのも、だいたいの恋愛調査を見てると、「多くのカップルは自分と同じレベルのルックスの相手とつきあう」って傾向がありまして、「同類交配」なんて名前もついてたりするんですよ。ただし、それでも実際には、ルックス格差があるカップルが少なくないのも事実でして、その原因について研究チームはこんな推測をしておられます。
多様な環境で他者と接する時間を持つことで、最初の判断を超えた独自の印象を持つ機会が増える。現実の生活では、人は見知らぬ人や知り合いと恋愛関係を結ぶことが多いので、時間がカップルの魅力にどのように影響するかに興味があった。
ちょっとわかりにくいですが、要するに、つきあうまでの時間が長くなるほどルックス以外の要素(性格とかセンスとか)にも意識が向くので、交際前の時間が長いほうがルックスに差があるカップルが生まれやすいのではないか?みたいな話です。
でもって、結果がどうだったかと言いますと、
- 交際前の知り合いの期間が長いほど、カップルの見た目の魅力度は一致しない(交際前の知り合いの期間が長いほど、ルックスに差があるカップルが出現しやすい)
- 初めて会ってから1カ月以内に交際を始めた相手は、カップルの見た目は同じレベルである確率が高かった
- 交際前に友人関係にあったかどうかを調べても、同様のパターンが見られ(つまり、友人関係が先のカップルほど魅力度の一致率が低い傾向があった)
- ちなみに、男女ともに魅力度の一致度は関係の満足度と関連していなかった。つまり、見た目に差があろうがなかろうが、数年後のふたりの満足度には違いが見られない
だったそうな。やはり研究チームの仮説どおり、友人としての期間が長くなるほどカップルの見た目は違いが出やすいらしい。
研究チームいわく、
出会ってすぐに交際を始めた場合は、肉体的な魅力がその判断の主な要因となり、最終的には自分と同じくらい魅力的な人と結婚することになるようだ。
それとは対照的に、相手をしばらく知ってから交際を始める場合、つまり最初に友達になった場合は、身体的な魅力はそれほど重要ではないようだ。その結果、容姿が配偶者と似ている可能性は低くなる。
今回の研究では、つきあう前に相手のことを知っていたかどうかによって、結婚相手について下す決定の種類が異なることがわかった。このデータは、恋愛相手の美しさに対する認識が、付き合う前にお互いをよく知ることで、時間とともに変化する可能性を示している。
知り合うまでの時間が長いと、相手との相性のような要素が、肉体的な魅力のような簡単に観察できる特徴に勝る魅力を持つようになるのかもしれない。あるいは、その他の要因によって魅力度が変わるのかもしれない。
とのこと。つまり、自分の見た目に自信がない人は、「まずは友達としての期間を長くして性格の良さをアピールだ!」ってことでして、なかなかナイスな話ではないでしょうか。あと、ルックスに差があるカップルだろうが、ルックスが釣り合ってるカップルだろうが、長期的に見れば関係性の満足度が同じってのも良い話っすね。