ダメな性格を変えたい!って問題について現時点で最強の方法とは?みたいな話
https://yuchrszk.blogspot.com/2021/12/blog-post_06.html?m=0
「なりたい自分になる:性格変化の科学を解き明かす」みたいなタイトルの本を読みました。著者のクリスチャン・ジャレットさんは心理系のジャーナリストとして有名な人で、海外のニュースサイトを見てるとめちゃくちゃよく名前をお見かけする人ですね(BPSのリサーチ・ダイジェストとか)。
本書のテーマはサブタイのとおり「性格をいかに変えるか?」で、このブログのエントリで言うならば、
といったあたりと同じようなポイントです。ヒトの性格はあるていどまで遺伝で決まっちゃうけど、そこから変化を起こすことはできるのか、と。というわけで、個人的に勉強になったポイントなどを抜き出してみましょうー。
ポイント1. 性格は決して不変ではない
- ウィリアム・ジェームズは「性格は30歳までに石膏のように固まる」と言ったが、同じ人を何十年にもわたって追跡調査した縦断的研究によれば、実際には、私たちの性格は人生を通じてずっと変化し続けることがわかっている。
- 確かに性格には連続性があるが、決して固定されているわけでもなく、心理学者のシミーヌ・ヴァジールは、「性格は維持されるものがあれば、変えられるものもある」と言っている。私たちの性格のバリエーションの約50%は遺伝的なものだが、一方で残りの部分は変えることができる。
ポイント2. 性格はライフイベントで変わる
- 性格の変化の約50%は遺伝的なものだが、残りの部分は「人間関係」「社会的役割」「人生の主な経験」によってガンガンに変化を続けている。
代表的な例は「離婚」で、パートナーと別れる前と後の人の性格を比べた研究では、その後から開放性や内向性が増すケースがいくつか確認されている。これは離婚で人間関係が縮まるのが原因かもしれない。
- その他のライフイベントも性格の変化に関係があり、失業は誠実性を低下させ、病気や死別は神経症傾向を高めることがわかっている。それぞれのライフイベントが、自分の性格にどのような影響を与えるかを知っておけば、意図的に性格を変えて適応することができるようになる。
ポイント3. 性格を変えるにはどうすればいい?
- 複数の研究によると、「自分の性格をひとつ以上変えたい!」という願望がある人ほど、どのように具体的な行動を変えるかを考え、その行動を実行するための計画を立て、その計画が習慣になるほど熱心に継続し、その結果として実際に性格が変わることがわかっています。
一方で、性格を変えたいと思っているにもかかわらず、実際の行動計画を立てない人は、逆に性格が悪化する可能性が高い。
- 性格を変える方法はいろいろあるが、もっとも効果的なアプローチは、自分を内側から変える戦略(たとえば、注意力トレーニングなどを実践して神経症傾向のレベルを下げて、自分の思考をコントロールできるようにする)と、外側から変える戦略(たとえば、自分が変えたい性格を発揮できそうな仕事についたり、自分が伸ばしたい特性を引き出してくれそうな友人を作ったり)を組み合わせることである。
ポイント4. 本当の自分は理想に近づく過程で発生する
- 性格を変えようとする人にありがちなのが、「これは本当の自分じゃないのではないか?」「自分が偽物になってしまうのではないか?」という心配を抱くパターン。しかし、人間ってのは自分の過去によって定義されたり制限されたりするものではないので、この点を理解しておくのが大事になる。
- 「人間が自分のことを本物だと感じるために必要な要素とは?」ってポイントを調査した結果によると、多くの人は、現在の自分(いまの性格特性をベースにした自分)よりも、いわゆる理想の自分(未来になってみたい自分)を目指して行動しているときに、もっとも「いま私は本物の自分を生きている」と感じることができる。これと同じように、人間関係を研究したデータでは、理想の自分に近づけるようにサポートしてくれるパートナーと一緒にいるとき、人は最も自分らしく感じられることもわかっている。
- 以上のデータを合わせれば、「本当の自分」とは、あなたが理想とする人間に近づいているときに発生する。自分の特徴を変えていく作業は、最初こそぎこちなを感じるかもしれないが、長く続ければ自然にできるようになる。
ポイント5. より大きな目的のために向かう
- 性格を大きく変えた人たちを調べると、みなのストーリーには同じようなパターンがある。ほとんどの人は新たな天職を見つけており、それがみんなの性格に有益な影響を与えていた。つまり、人間はデカい目的に向かう際に変化が起きやすい。
- 多くの調査によると、性格が変化がした人は、その前に個人的な価値観が変化していることが多い。社会問題に取り組む、芸術を愛する、人格を成長させる、人のためになる活動をする、新しいスキルを身につけるなど価値観はなんでもいいが、自分で「この行動には価値がある!」と心から信じられるものに取り組むのがもっとも重要となる。
いまの時点で価値や使命を持っていないのであれば、「どうやって性格を変えようか?」と考える前に、「自分にとって何が重要なのか?」と自問してみるほうが、より効果は高くなる。
ということで、全体の結論をまとめておきますと、
- 性格を変える前に自分の価値観をはっきりさせて、そこに向かう行動を重ねたほうが性格は変わるぞ!
ってポイントが一番デカいかもしんないっすね。とにかく行動が大事ってのは「15週間で嫌いな性格を変えるサザンメソジスト大学式メソッド」でも言われてることですが、そこに価値観を接続させようってのは確かにそのとおりかもしんないすねー。