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テストステロンを食事で爆上げするにはどうすればいいのか?をガッツリ調べたレビューの話



テストステロン大事!という話を何度も書いているわけですが、結局のところ「健康な生活をするのがベストな対策なのでは?」って気もしてくる昨今であります。テストステロンの上昇に効く方法はいろいろあるものの、なんだかんだでベタに健康的な生活が一番と申しますか。

 

 

で、そんななかでアリエル大学などの先生方が、「食事でどうにかテストステロンを上げられないですかねー」ってとこを調べたレビュー(R)が出ておりました。食事とかサプリでどうにかならないかねぇ……みたいな話ですな。

 

 

ということで、このレビューから、個人的に勉強になったところをピックアップしておきます。

 

 

テストステロンアップに効くかもしれない栄養素の話

  • テストステロンは、アロマターゼという酵素の働きで女性ホルモンに変わる。なので、アロマターゼの働きをじゃまできれば、テストステロンはアップすると考えられる。

    アロマターゼをジャマできる食材としては、高麗人参、赤ワイン、マッシュルーム、アカツメクサ、マンゴスチン、ノコギリヤシ、コラード、トマトの葉、お茶、コーヒー、ココア、ケール、ジャガイモの葉などがある。

    以上の食品でアロマターゼが阻害されるのは、これらの栄養素に含まれるフラボノイドが原因だと考えられる。どれも明確なデータがないので断言はできないものの、もっとも効果が高そうなものを選ぶとすれば、赤ワイン(特に活性が高いのはカベルネ・ソーヴィニヨン)と、マンゴスチンが有力候補にあげられる。

 

 

  • なかでもマンゴスチンは日本でも実験が行われており、筋トレをしている男性に42日間ほど抽出物を飲んでもらったところ、ベンチプレスとレッグプレスの成績が上がり、筋肉が増えやすくなったんだそうな。これはちょっと気になりますな……。

 

 

  • ちょっとランクは落ちるものの、一般的な野菜にもアロマターゼのブロックを期待できるものがあり、具体的にはパセリ、セロリ、セレリアック、カモミールティー、プルーンジュース、アサイーオイル、蜂蜜なども期待できる………かも?ぐらい。

 

 

  • サプリメントで言えば、ホスファチジルセリンにも見込みがある。まだデータは限られているが、ホスファチジルセリンを飲みつつエアロバイクで中強度の運動を行った際に、テストステロンとコルチゾールの比が有意に改善したとの報告もある。

    ホスファチジルセリンは、サプリだけでなく脂肪の多い魚や肉、白インゲン豆からも摂取できる(ただし少量)。

 

 

  • ビタミンD、亜鉛、 マグネシウムもテストステロンの上昇に効く可能性が指摘されている。いずれも、それなりにサプリでテストステロンが上がったとの報告が出ているが、いずれも間接的な影響だったり、それぞれの栄養素が不足しているときにだけ意味があったりして、明確なことは何も言えない。

 

 

 

その他、テストステロンに影響する栄養素の話

  • テストステロンを増やすには、エネルギー不足に気をつけるのが大前提になる。具体的には、1日に除脂肪体重(≒筋肉)1kgあたり45kcal以上のカロリーを摂取しておかないと、テストステロンが減っちゃう可能性がある。

    また、総カロリー摂取量を40%削減すると、タンパク質の量をいくら増やしたとしても、テストステロン濃度が有意に低下したという報告もある。男性アスリートの実験では、400kcalを超えるエネルギー不足にしつつ激しい運動を行ったら、24時間後にコルチゾールの上昇とテストステロンの減少も見られている。

 

 

  • ホルモンを作り出すにはコレステロールが必須。ある研究では、筋トレをしながらケトジェニックダイエットで脂肪の量を増やしたところ、遊離テストステロンが大きく上昇したという報告がある。さらに、系統的レビューでも、低脂肪食は高脂肪食よりも総テストステロンが減ると指摘している。

    といっても、高脂肪食は心疾患のリスクを高める可能性があるので、総摂取カロリーの25%未満ぐらいにしておくのが無難。

 

 

  • タンパク質も重要かもしれないが、そこらへんはまだよくわかってないところが多い。いまのところ、アスリートは1日に体重1kgあたり1.6~2.2gのタンパク質が推奨されてるんで、そこらへんを守っておけばいいんじゃないの?ぐらいしか言えない感じ。

    ただ、一部には大豆タンパクにふくまれるイソフラボンが、テストステロンのレベルを下げる可能性が示唆されている。まぁこのあたりはよくわからないとこが多いので、そこまでビビらなくてもよさげ。

 

 

雑感

ということで、全体的にみれば「カロリーはちゃんと摂ろう!」ってのが大前提で、あとはわりとあいまいだなーって感じですね。個人的には、マンゴスチンのアロマターゼ阻害効果がノーマークだったので、今後はちょっと気にしてみようかなと思いましたが。

 


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1976年生まれ。サイエンスジャーナリストをたしなんでおります。主な著作は「最高の体調」「科学的な適職」「不老長寿メソッド」「無(最高の状態)」など。「パレオチャンネル」(https://ch.nicovideo.jp/paleo)「パレオな商品開発室」(http://cores-ec.site/paleo/)もやってます。さらに詳しいプロフィールは、以下のリンクからどうぞ。

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