15週間で嫌いな性格を変えるサザンメソジスト大学式メソッド
性格は変えられるか?みたいな疑問は永遠のテーマでして、いまのところでは、
- まったく変えられないってことはないが、その変化はかなーりゆっくり
ぐらいの見解が一般的だろうと思うわけです。たとえば人間の性格は年齢によって変わりまして、歳を取るほど神経症傾向が減ったりして、同じ人に15歳と70歳の時点で性格テストをすると、わりと別人みたいな結果が出たりするんですよ。
が、まだ疑問が残るのは、「もっと短いスパンで性格は変えられないの?」というポイントです。長期的には人間の性格はジリジリ変化していくものの、もうちょい簡単に変えられないもんか、と。
ということでサザンメソジスト大学などの先生方が、おもしろい実験(R)をしてくれておりました。どんな研究かと言いますと、
- 377人の学生を集めて「自分の性格のどこを変えたいですか?」と尋ねる
- みんなにビッグファイブのテストをする
- 研究チームが考えた「性格を変える行動」をみんなに指示
- 15週間後にどれぐらいの違いが出るかを調べる
みたいになってます。でもって、その結果について研究チームはこう言ってます。
学生たちが、それぞれの特性に合った行動をこなすほど、研究期間中に彼らの性格特性がより変化した。日常的な言葉で言えば、「行動を起こせば起こすほど、人は変わる」ということだ。
今回の研究の最大の意義は、自分の性格を変えるために積極的に行動すれば、時間をかけてより多くの特性を成長させられる。
チームの予測どおり、自分の性格を変えるために行動を起こせば、15週間でもそれなりの変化は起こせるんだ、と。すばらしいですねぇ。
この実験では、多くの学生が「もっと外向的になりたい!」か「もっと神経症傾向を治したい!」と希望したらしく、研究チームは以下のような行動を処方したそうな。
▼外向的になりたい場合
- いつものお店でレジの人にあいさつをしてみる
- 寝る前に「今日は誰かとのコミュニケーションでどんなポジティブな体験をしただろうか?」と考え、その体験のどこが良かったのかを考えてみる
- 「お仕事は?」みたいなよくある質問に対して、事前にシンプルな答えをいくつか用意しておく
- 初対面の人にあいさつして、天気や店のメニューなどについて雑談をする
- しばらく連絡をしていない友人に電話してみる
- 初対面の人に尋ねてみたい質問をリストアップする
- ボランティア団体を探してイベントに参加してみる
- カジュアルなスポーツをしている人を見つけて、一緒にやらないかと誘う
- 誰かに意見を求められたら正直な答えを返す
- 親しい友人にいまの問題や悩みを率直に話す
▼神経症傾向を改善したい場合
- ネガティブな感情をできるだけ観察するように心がける
- ネガティブな感情に飲まれそうになったら、立ち止まって何度も深呼吸をする
- 寝る前に今日起きたポジティブな出来事と、その時の気持ちを書き出す
- 他の人に感謝の気持ちを伝える
- 10分ぐらい瞑想をしてみる
- 一日の出来事を日記に書き、自分の感情を全て書き出す
- ストレスを感じたら、過去に自分がなしとげたことを思い起こす
- 自分に幸せを感じさせてくれるものを選び、スマホで撮影する(猫とか植物とか)
- ネガティブな考えに気づいたら、その考えにポジティブな側面はないかを考える(仕事がうまく進まなかったけど、次につながるアイデアを生む時間にはなったな……みたいな)
- 嫌いな人を許すようにしてみる
ってことで全体的に見れば、外向性を増したいときは「エクスポージャー」系のテクニックが効き、神経症傾向の改善についてはポジティブ心理学の世界で使われる手法が効きやすい感じですね。個人的に外向性は別にどうでもいいんですが、神経症傾向についてはもうちょいどうにかしたいとこですなぁ……。