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アーユルヴェーダの最強ハーブこと「センテラ」はアンチエイジングに効くのか?



 

こんなご質問をいただきました。

 

センテラってどう思いますか?乾燥肌の人に良いと言われてエステでおすすめされたのですが。

 

ということで、ややマニアックな成分ですが、センテラの話です。センテラはアーユルヴェーダで使われてきたハーブの一種で、日本でもセンテラを配合した美容アイテムが結構多く出てますね。

 

 

センテラには、テルペノイドと呼ばれる有効成分がたくさん含まれてまして、スキンケアに効くと言われているのは、シアティック酸、マデカッソ酸、シアティックシド、マデカッソシドあたり。ほかにも、抗酸化剤、保湿剤、ビタミン類など、スキンケア効果のある成分が含まれており、おかげでアンチエイジングに効くと言われております。

 

 

で、センテラの効果はどんなもんかと言いますと、幸い2014年にポズナン医科大学などの先生方が良いサマリー(R)を出してくれたりします。その要点をざっくりと抜き出すと、こんな感じになります。

 

  • 発表された研究のほとんどは、in vitroまたは動物実験で、人間を対象にした試験がほとんどない

 

  • 数少ない臨床試験は、他の成分と組み合わされているケースが多く、センテラのおかげで美肌になったのか、他の成分が作用しているのかがわからない

 

  • ヒトを対象としたセンテラの数少ない臨床試験では、アシアティコサイドを含むクリームが、アシアティコサイドを含まないクリームと比較して、目尻のシワを改善したと報告されている。ただし、あまりに小さな試験なのでなんとも言えず(R)

 

  • ラットを使った研究(R)では、センテラエキスでラットの傷の治りが速くなったと報告されている。センテラエキスは、皮膚細胞の生産とコラーゲンの合成を促進するのが原因だと考えられる。また、センテラには抗菌作用があり、抗酸化作用と血管形成を増加させる可能性もある。

 

  • センテラにふくまれるマデカッソシドには、ヒトの皮膚における日焼けを予防する可能性がある。ただし、これもまた生体外研究なのでなんとも言い難い(R)

 

ということで、「可能性はあるかもなー」とは思うものの、どうにもヒトを対象にした研究が少なすぎて、なんとも言えない感じなんですよねー。難しい……。

 

 

まぁそう言いながらも、個人的にセンテラ系の商品は試してみたことがありまして、具体的には、

 

 

あたりを使ったりしました。どちらも「うーん、乾燥肌には良さそうだけど、これが特に良いって感じでもないなぁ……」って感じだったんで、すぐに使用を止めちゃって、ヘパリン類似物質にもどりましたが。テクスチャーは良かったんですけどねぇ。

 

 

そんなわけで、センテラにつきましては「ヒトの試験が少なすぎて判断不能!生体外では良い結果が出てるので、可能性もなくはないよ!」ぐらいの印象です。特に現段階では激しくおすすめできる感じじゃないですけど、気になる方はどうぞーってところですね。


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1976年生まれ。サイエンスジャーナリストをたしなんでおります。主な著作は「最高の体調」「科学的な適職」「不老長寿メソッド」「無(最高の状態)」など。「パレオチャンネル」(https://ch.nicovideo.jp/paleo)「パレオな商品開発室」(http://cores-ec.site/paleo/)もやってます。さらに詳しいプロフィールは、以下のリンクからどうぞ。