数分で確実にメンタルが改善する最高のセルフ・エクササイズ「BPS」とは?
「最善の自己介入」っていう心理テクニックがあるんですよ。通称「BPS」と呼ばれる心理技法で、
- 複数の研究により「気分の改善」効果が認められている
- ほんの数分でどこでもできる簡単なエクササイズである
みたいな特徴を持ってたりします。名前がうさん臭いので「本当かよー」って印象を持つ方もいるでしょうが、少なくとも短期間は気分の改善に役立つことが示されてまして、「落ち込んでしまった……」とか「嫌なことがあって……」みたいな方はお試しいただくといいんじゃないかと。
で、なんで急にこんなことを言い出したかというと、「BPSには明確な効果があるぞ!」ってメタ分析(R)が出たからです。これはベルリンのフライ大学などの調査で、研究者たちは、過去の研究からBPSについて調べたテスト34件をまとめ、合計2,627人のデータを分析したところ、
- BPSを使うことにより、ポジティブな感情と楽観性が、わずかでながらも測定可能なほど明確に高まった
- BPSは、メンタルに問題を抱えた人だけでなく、普通に気持ちが落ち込んだ人にも効果がある
って結論だったそうな。あくまでも「わずかな効果」というところが気になるかもですが、このタイプの心理テクニックってのは、そもそも統計的に明確な違いが何度も確認される方がめずらしいですからねぇ。メンタルツールキットのひとつとして持ておくとよろしいのではないでしょうか。
ちなみに、BPSってのは、名前のとおり「未来における最良の自分を想像して、それを短い文章で書き出す」ってトレーニングで構成されております。「ビジネスが成功して、家庭生活も順調で、銀行の口座にも不安なところがない!」みたいな生活を数分かけてイメージし、それがどのようなライフスタイルなのかを、好きなだけ詳しく書いてみるわけです。いかにも楽しそうな作業ですわな(私も何度かやってみましたが、実際に楽しかったです)。
では、実際に試してみたいという方のために、試験で採用された正式なやり方をご紹介しておきます。
1. 未来の可能な限り最高の自分を思い描く
数分間ほど誰にも邪魔されない場所を探しましょう。その上で、いまから10年後でも、半年後でもかまわないので、自分が好きな未来を選び、すべての物事がうまくいっている自分を想像してください。夢見ていた仕事につき、大きな利益を上げている、大口の顧客を獲得し、夢の仕事に就いている、人間関係も家族も幸せで、大好きな家に住んでいるなど、なんでも構いません。
ただし、「プロのサッカー選手として活躍!」とか「ノーベル賞をとる!」みたいに、現在の状態から外れまくった未来はイメージしないようにご注意ください。重要なのは、妄想をビジュアル化するのではなく、あくまで現実の世界で達成可能なラインで最善の未来をビジュアル化することなんで。
でもって、具体的な未来像を決めたら、2〜3分少しの間そのイメージにひたってみてください。どんな気分だろう?どんな感情か?あたりまで、くわしくイメージするのがポイントです。
2. それを10分かけて書き出す
次に、その未来の自分について、10分間かけて説明文を書いてください。好きなだけ詳しく書いてもいいですし、漠然と抽象的に書いても構いません。未来の自分を描写したり、人生の目標を達成したときの気持ちをシンプルに書いたりしてください。
ここでのポイントは、正しく書こうとは思わずに、思いつくままに書くとこです。文法やスペルは気にせず、ガンガンに書き出してくださいませ。
で、これで「BPS」はおしまいでして、たいていの人は、このエクササイズを行なってすぐ気分と人生観が向上し、だいたいその効果は1週間ほど続くと考えられております。ある試験では、このエクササイズを毎週日曜日の夜に行うことで、一週間ずっと気分良く過ごせるってデータもあったりしますので、メタ分析でも認められたメンタル改善法としてお試しいただくといいかもしれません。