研究者「100の研究から『不安を癒やしてくれるハーブ』を6つ探してみたぞ」
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拙著「最高の体調」では、不安対策をとても重視しています。本の中で何度もご説明したとおり、現代では「漠然とした不安」が不調の大きな原因だと考えられるからです。
その対策として、本のなかでは価値観のワークやマインドフルなどがありますが、もう少し手軽にメンタルを安定させたいと思うならばハーブやスパイスを試すのもおすすめ。もちろん長期的にはメンタルのトレーニングを続けるしかないんですが、ハーブやスパイスで一時的に精神を整えてみるのもいいでしょう。
そこで参考になるのが、近ごろメモリアルスローンケタリングがんセンターが行った大規模な研究(R)です。1996〜2016年に発表された100件のRCTをまとめて、現時点でメンタル改善の効果が高そうなハーブやスパイスを厳選してくれたんですよ。
具体的には、38種類の植物からうつと不安の改善効果が高いものを厳選し、実証データの数が多いものだけをピックアップしています。最終的に“試す価値あり”と認められたものは、以下の6種類のハーブになります。
- サフラン:サフランライスを作るために使われるスパイスで、ここ数年で不安やうつの改善効果が多く報告されるようになってきました。「一般的な抗うつ剤と同じレベルの効果がある」とするデータもあったりしますし、目立った副作用も確認されていないので、現時点ではもっとも有望なスパイスかもしれません。ちなみに、サフランの具体的な使用量は「サフランを具体的にどれぐらい使えばいいのか?のメタ分析」にまとめてまして、現時点での推奨サプリは「【サフラン】サプリのベストプロダクト」にまとめております。
- カヴァ:コショウ科の植物から抽出したハーブで、「不安が減る」という報告の多さで言えば、数あるハーブのなかでもトップレベルです。ただし効果が強いだけに肝臓へのダメージが報告されているのでご注意ください。最長でも2週間を超える連用は避けましょう。私も緊張がすごいような場面でのみ使っています。
- イチョウ:秋になると街中でもよく見かける、あのイチョウです。昔から葉っぱから抽出された成分が生薬としても使われており、脳の血流改善などの効果が報告されています。そのせいで、かつては「イチョウで脳機能が上がるのでは?」などと言われたこともありましたが、残念ながら記憶力や脳処理のスピード改善などについては否定されているのでご注意を。一方で、不安やうつに効くという報告はいくつか存在しているので、試す価値はあるでしょう。
- ラベンダー:「パレオな男」でも「気分がやすらぐハーブ」として何度も取り上げた植物です。アロマとして使ってもいいし、抽出したオイルを経口で飲んでも気分を鎮める働きをもたらしてくれます。これもまた安全性が高い植物なので、カヴァなどが心配な方は使ってみるといいでしょう。
- オトメアゼナ:あまり耳にしない名前ですが、オオバコ科の植物の一種です。上の4つに比べるとデータの結果はバラバラなんですが、一部で不安が改善したとの報告が出ています。他の成分を試したうえで効果を感じられなかった時は、オトメアゼナのサプリを試すのもいいでしょう。
- パッションフラワー:トケイソウ科の植物から抽出したハーブで、ラベンダーと同じく気分を鎮める働きがあると考えられています。ハーブティーとして試すのもいいし、経口のサプリを使ってみるのもいいでしょう。
以上、6つのハーブ・スパイスはそれなりのデータがそろっており、試してみる価値があるでしょう。個人的には「やっぱサフランがいいんだろうなー」と思いましたが、かつて自分で試した時は、さほどの効果も感じなかったので今はやめております。もうちょい長期で試してみようかなぁ……。