結局、私たちの人生を変えてくれるのは「他人」
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「リレーションシフト」って本をチビチビ読んでおります。サブタイトルを直訳すると、「人間関係の驚くべき力を解き放ち、自分を変え、人生を作り変え、あらゆるビジネス目標を達成する」という感じで、人間関係の問題にフォーカスした一冊ですね。
著者のジャスティン・ブレニー先生は、フォスター・スクール・オブ・ビジネスでマーケティングを教えている教授で、大げさなサブタイに比して、わりと地に足がついた内容で良い感じです。ありがたや、ありがたや。
ってことで、今回は、本書から個人的に勉強になった話をまとめてみまーす。
ポイント1. 結局、人間を変えてくれるのは他人
- 起業家のジム・ローンは、「人は皆、最も長い時間を一緒に過ごした5人の平均値である」という有名な言葉を残したが、この言葉が事実なのは研究でも報告されている。親から受け継いだ遺伝子も重要だが、私たちが何者であるかを決めるのは、かなりのところまで環境の力によるものである。
- 私たちの「人間」を形成する要素は、「友人」であることが多い。たとえば、走るのが苦手な人でも運動好きな友人に囲まれれば、もっとうまく走れるようになる。一方でアスリートの遺伝子を持っていても、運動嫌いの友人に囲まれていたら、フィットネスレベルを上げようという発想には至らない。
- ここで重要なのは、良い友人が、あなたに潜在的な悪影響を与えているかもしれない点である。たとえば、ストイックに働く友人がいれば、自分もがんばろうという気分にはなるが、一方で「もっと働かなければならない」というプレッシャーを無意識に感じさせる原因にもなる。このことを意識することが、より自由になるための第一歩となる。
- 上記の理由から、成功者をロールモデルとして完コピするのは望ましくない。成功者の行動には必ず悪い点もあるため、すべてをマネすると、ワケがわからないことになることが多い。
- 「他人」の影響力をうまく活かすには、1)まずは自分が伸ばしたい特徴を特定し、2)その特徴を持っている人を模倣する、というステップが必要になる。ブレニー先生の場合は、人前で堂々と話ができる人をロールモデルとして特定し、その人物の声の出し方やボディランゲージをひたすら真似することに注力した。そのおかげで、自信を持って人前でもしゃべれるようになった。
ポイント2. 個人の成長をさまたげる問題に注意せよ
- なんらかの問題を抱えた時に、他人にアドバイスを求めるのは良いことである。しかし、私たちは自分の知識や解釈をベースに相手のアドバイスを解釈するため、こちらが知っていることと 相手が知っていることのギャップにより、誤解や勘違いが生まれやすい。人間は自分の理解力のレンズを通してしか、世界を見ることができない。
- この現象は、本やポッドキャストなどの一方通行のメディアで学ぶだけでは、自己成長につながりにくい原因にもなっている。一方的なコミュニケーションに頼っていると、私たちは、書き手がどのようなレンズを通して情報を発信しているのかを予測することができないからである。そして、そのような情報は、相手が伝えてくるアドバイスを活用するために不可欠なものである場合が多い。
- さらに、「心の免疫システム」と呼ばれる現象が問題を複雑にする。私たちの心には免疫システムが備わっており、自分の主観的な考えに基づいて、本来の目標から遠ざかってしまう。そのため、目標を達成する能力が下がってしまうケースが少なくない。たとえば、「もっとお金を稼いで幸せなことをしたい!」と思っているのに、お金を稼ぐことに執着するあまり、実際には幸福から遠ざかってしまうようなケースである。
- 以上の問題を克服する鍵は、これらの要因が存在することを認識するのが第一歩。そして、これらの要因が、私たちの本来の目標を遠ざける原因になっている事実を認識することである。
ポイント3. 部族の一員になるべし
- 人類は、何百万年もの間、他者と助け合いながら進化してきた。しかし、私たちは自分の部族の一員でない人々を助けることに抵抗を持つバイアスを持っている。簡単に言えば、私たちは無意識のうちに仲間でない者を脅威として認識するシステムを持ち、これが他人から良いアドバイスをもらえない原因になっている。
- そのため、人に助けてもらおうと思うなら、彼らの部族の一員になることを考えねばならない。たとえば、同じジムに通う、同じ店で買い物をする、毎日同じ路線で通勤するなどが考えられる。もし、誰かに助けてもらいたいなら、自分が部族の一員だとアピールする方法を見つけねばならない。
- その他にも、部族の一員になる方法としては、無条件にいろいろな価値を提供して、同じ価値を持つ部族に気づかせるのも有効である。