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定番の睡眠サプリ「メラトニン」の副作用と正しい飲み方

 

 

こんなご質問をいただきました。

 

睡眠の改善にメラトニンを使おうと思っています。ただ、ホルモンのサプリメントということで、 副作用が気になります。 メラトニンの安全な飲み方などがあれば教えて欲しいです。

 

とのことで、メラトニンはどれぐらいの副作用があるのか? もし副作用があるなら、安全な飲み方は無いのか?というお尋ねですね。

 

メラトニンってのは 睡眠をコントロールするホルモンの1つで、こいつの分泌量が増えると眠りやすくなるとされております。 そのため、なかなか眠りにつけないような人が、 サプリとして愛用しているイメージですね。 私も定期的に使っているサプリの1つです。

 

このブログでも長らくを取り上げてきたサプリメントで、 睡眠の改善以外にも、いろいろな効果があるんじゃないかと考えられています。 まぁ現時点では日本のメーカーは販売できないので、メラトニンを使おうと思ったら、IHerbのような 海外サイトから輸入する必要がありますが。

 

 

メラトニンの副作用にはどんなものがあるのか?

さて、メラトニンの安全性についてですが、 今のところは健康な成人が使うぶんには安全性が高いと考えられております。 いくつか例を挙げてみましょう。

 

  • 791人の男女に2mgのメラトニンを半年にわたって飲んでもらったテストでは、何の副作用も起きなかった(R)
  • 44人の子ども(平均6才)に1日5mgのメラトニンを飲んでもらった研究でも、3.8年が過ぎても何の副作用も起きなかった(R)
  • 1回あたり500mgの大容量のメラトニンを使った実験(R)でも、 特に問題が起きていない。
  • 500mgのメラトニンを静脈注射した実験(R)でも何も起きていない。

 

というわけで、 長期の試験でも、 大用量の試験でも、 これといった問題は起きていないようです。 そう考えると、 わりと安全性が高い サプリと言えるんじゃないでしょうか。

 

もっとも、 どんなサプリにも副作用があるものでして、メラトニンとてすべての人に適しているわけではありません。 一部の研究では、 こんな副作用が報告されております。

 

  • 頭痛:メラトニンの副作用としては、最もよく報告されやすいものの一つ。
  • 日中の眠気: メラトニンの睡眠促進作用は日中も続き、日中に疲れを感じることがある。特に高齢者の場合は、メラトニンを体内で処理する時間が長くなるため、翌日に眠気が起きやすい。 
  • めまい: めまいも報告件数が多い副作用であり、メラトニンのサプリメントを摂取する際は、アルコールの使用を避けるのが重要。
  • 吐き気: メラトニンを飲むタイミングによっては、サプリメント摂取時に吐き気が起こることがある。
  • 鮮明な夢や悪夢: メラトニンを使用している人は、しばしば鮮明な夢や悪夢を報告する。
  • 胃痙攣: いくつかの研究では、メラトニンの使用によって胃痙攣や不快感が起こると報告されている。
  • 気分の変化:短時間の抑うつやイライラなどが起きることがある。

 

いずれも重度の問題ではないものの、これらの副作用が起きるときは、メラトニンの使用を中止する必要があるでしょう。

 

また、当たり前ですが、以下のような人もメラトニンで問題が起きやすいので注意です。

 

  • 透析を受けている人や肝臓に問題のある人: 腎臓や肝臓の機能が低下している人は、メラトニンを代謝できない可能性がある。
  • 妊娠中または授乳中の人: 妊娠中や授乳中の人に対するメラトニンの安全性を保証する証拠はない。
  • 認知症の高齢者:メラトニンを代謝する能力が下がり、 脳に影響を与える可能性がある。
  • 精神疾患のある人: メラトニンは、人によってはうつ病やその他の気分障害の症状を引き起こすので。
  • 免疫に問題のある人: メラトニンは免疫系の一部を活性化する可能性がある。この影響の重要性はまだよくわからないんだけど、 免疫系に問題がある人は飲むべきではない

 

これらの人々には、メラトニンのリスクがメリットを上回っちゃう可能性がありますので、くれぐれもご注意を。

 

 

安全なメラトニンの飲み方とは?

副作用が怖い時は、メラトニンを飲む量を 調節してください。適切なメラトニンの量は、個人の年齢や症状によって異なりますが、典型的な投与量は成人で1~5ミリグラムです。

 

ただし、2014年の大規模なデータ(R)では「1回0.5mgでも 快眠の効果は得られる」という話なので、まずはこれぐらいの小容量から試してみて、必要に応じて徐々に増やしていくのがよいでしょう。飲むタイミングは、眠りにつく1〜2時間前がベストです。基本的に、メラトニンの用量は投与量が多いほど副作用の可能性も高くなりますんで、メラトニンの正確な用量を確保するためにも、評判の良いサプリメントを購入してください。

 

また、 メラトニンについては、「これ以上飲んだらやばい」というラインは定まっていないものの、 一般的には1回で10ミリグラムを 超えないように指導されます。それ以上は過剰摂取になりやすく、副作用のリスクも増えますんで。 まぁほとんどの人は、1回3ミリグラムも飲めば十分でしょう。

 

そんな感じで、 うまい具合に使っていただければと思います。 どうぞよしなに。


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1976年生まれ。サイエンスジャーナリストをたしなんでおります。主な著作は「最高の体調」「科学的な適職」「不老長寿メソッド」「無(最高の状態)」など。「パレオチャンネル」(https://ch.nicovideo.jp/paleo)「パレオな商品開発室」(http://cores-ec.site/paleo/)もやってます。さらに詳しいプロフィールは、以下のリンクからどうぞ。

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