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古い幸福感を捨ててガチで幸福になるための方法はこれだ!という本を読んだ話


  

ニュー・ハッピー(New Happy)』って本を読みました。

 

著者のステファニー・ハリソン先生は存じ上げませんでしたが、幸福の科学の専門家で、ザ・ニュー・ハッピーという会社を設立し、フォーチュン500社で定期的に従業員のウェルビーイングと企業文化についてアドバイスしている方だそうな。

 

で、本書は、「我々は昔ながらの幸福感にとらわれている!」ってのがテーマ。「データにもとづいた方法を採用しないと、私たちは真の幸福を味わえないのだ!」という話が展開されていて、ポジティブ心理学のポイントをシンプルにまとめた一冊として楽しめました。

 

それでは、いつもどおり勉強になったポイントをまとめてみましょうー。

 

 

  • 現代の多くの人は、昔ながらの間違った方法で“幸せ”になるように暗示をかけられている。筆者は、このような旧来の幸福論を「オールド・ハッピー」と呼び、私たちの社会は幸せの定義を間違っており、それを取り巻く文化も歪んでいると指摘している

 

 

  • オールド・ハッピーは、私たちが子どもの頃に家族から受け取ったメッセージによって脳内に植え付けられ、さらにメディアや社会制度によって強化される。

    そのメッセージには、個人主義、資本主義、支配という3つの文化的な力が存在。私たちが幸せになるためには、「自分自身を完璧にせよ!」「もっと大量の行動をせよ!」「すべて自分の責任で行え!」といったメッセージを伝えてくる。

    これらのメッセージを信じると、自分はダメな人間だ、自分には何か問題があるといった気持ちがブーストしてしまう。

 

 

  • ただし、これらオールド・ハッピーを追求しても、幸せにはなれない。それどころか、大半の研究は、これらのメッセージにより、人間を惨めな状態に追い込んでしまう事実を示している。

    オールド・ハッピーのせいで、現代人は、かつてないレベルの不幸、病気、燃え尽き症候群、孤独と闘っていると考えられる。真に幸せな人生を送るためには、まずオールド・ハッピーな信念を捨て、新しい信念を取り入れることから始める必要がる。

 

 

  • オールド・ハッピーは、「自分がいかに優れているかを証明せよ!」「そのために、外的な目標を達成して成功せよ!」「何でも自分でやれ!」と私たちに命令してくる。

    しかし、その代わりに、私たちを本当に幸せにしてくれるのは、「自分には他者とのつながりがある!」「誰も一人では何もできない!」という事実を知ることである。私たちは社会的な生き物であり、本質的に、他者からのサポートを必要とするようにできている。

 

 

  • オールド・ハッピーから逃れるための最良の方法は、オールド・ハッピーが脳内に現れたら、その指示内容を言語化することである。

    働き過ぎのプレッシャーを感じたら、「それはオールド・ハッピーの指示であって、私ではない」と自分に言い聞かせる。自分の外見を批判する思考が浮かんできたときは、「オールド・ハッピーが作り上げた基準に、巻き込まれている!」と自分に言い聞かせる。「自分だけでやらねば!」と感じたら、誰も一人では何もできないし、サポートが必要なのは人間として当然のことだと、自分に言い聞かせる。

 

 

  • オールド・ハッピーを言語化すると、悪い思い込みから解き放たれやすくなり、本当に人間を幸せにしてくれるものに意識が向かうようになる。

    すなわち、幸せになるためには、他人の幸せを助けるのがベストである。これこそが、多方面にわたる研究によって裏付けられた、確実な幸福への道だと言える。

 

 

  • 幸せを経験する方法は、お互いに奉仕し合う方法を見つけることである。他人を助けることは、私たちのウェルビーイングに役立つことがほぼ証明されている。

    他人の幸せを助けることで、精神的な健康だけでなく、肉体的な健康も増進する。人間には食べ物や住まいが必要なように、誰もが自分を超えて他人を助けたいという深い欲求も持っている。

 

 

  • しかし、多くの人は「助け」の定義を狭義に捉えており、他人を助ける行為とは、外に出てボランティアをすることだと考える人が少なくない。それはそれで素晴らしいことではあるものの、もっと広い理解が必要だとも言える。

    「助け」とは、愛する人の話を聞いたり、誰かのためにドアを開けてあげたり、仕事で協力したり、自分のアイデアやユニークな視点を共有したり、他の人がベストを尽くせるように励ましたりと、日常のごく小さな行為を意味する。

    つまり、「助け」の方法は無数にあり、それゆえに幸せを経験する機会も無数にあるということである。

 

 

  • なかでも他人を助ける最良の方法は、家族、地域社会、職場、あるいはより広い世界のために、自分のユニークな才能を、周囲の人々と分かち合うことから生まれると。

    具体的には、人間には、人間性、能力、知恵という3種類の才能がある。

    まず、人間性とは、あなたという人間そのものを意味する。それはあなたの性格であり、資質であり、善良で愛情深い性質のことである。友人に電話をかけて悩みを聞いたり、仕事の後に子供と遊ぶ時間をとったり、道で見知らぬ人を手伝ったりするのは、人間性が発動した状態である。

    続いて、知恵とは、あなたが学んだことを意味する。 私たち一人ひとりは、それぞれがユニークな人生経験を持っており、その知恵は、困難な時に人を助けたり、そのようなことが起こらないようにしたりと、多くの方法で人々を助けるために使うことができる。

    最後に、能力とは、あなたができることを意味し、時間、エネルギー、努力によって培われる。私たちは誰でも、新しい才能を開花させたり、既存の才能を深めたりする力があり、それを使って他人を鼓舞し、モチベーションを上げることができる。

    これらの才能を他人のために使えば、私たちは深い喜び、目的、充足感を味わうことができる。これを、著者はニュー・ハッピーだと考えている。

 

 

  • オールド・ハッピーで生きていると、自分自身を不幸にするだけでなく、集団も不幸にし、競争、判断、無力化、燃え尽き、孤立を招くだけである。

    しかし、ニュー・ハッピーを採用すれば大きな変化が起きる。他の人が幸せになるのを助けることで、私たちは確実に世界をよりよく変え、それによって自分自身が幸福nなれる。

 


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1976年生まれ。サイエンスジャーナリストをたしなんでおります。主な著作は「最高の体調」「科学的な適職」「不老長寿メソッド」「無(最高の状態)」など。「パレオチャンネル」(https://ch.nicovideo.jp/paleo)「パレオな商品開発室」(http://cores-ec.site/paleo/)もやってます。さらに詳しいプロフィールは、以下のリンクからどうぞ。

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