人見知りの第一の強みは「不安感」
https://yuchrszk.blogspot.com/2013/10/blog-post_842.html?m=0
「成功したきゃポジティブになれ!」なんてことがよくビジネス本に書かれてますな。
目標を達成した自分の姿を思い浮かべたり、「ついてる!」と何度もつぶやいてみたりとかね。この定番の成功哲学に対し、こないだ読んだ「ギブ・アンド・テイク」の著者アダム・グラントさんが「ネガティブシンキングのポジティブな力」という面白いエッセイを書いていたのでメモ。
The Positive Power of Negative Thinking | LinkedIn
ネガティブシンキングのポジティブな力
ネガティブもポジティブも仕事の能力は同じ!ただし…
たいていはネガティブな人よりもポジティブな人のほうが結果を出しやすいと思われがちですが、これは大間違い。1996年に行われた研究によって、実際はネガティブもポジティブも仕事の成績はほぼ同じことがわかっております。ネガティブな人は最悪のケースを想定してことにのぞむため、注意深く準備をしてから仕事を進めるケースが多いんですな。つまり、ネガティブな人は自分の思考スタイルに適した戦略を取っているだけなので、彼らに「ポジティブになれよ!」とかアドバイスするのはNG。
ただし、ここで注意すべきは、ポジティブとネガティブでは自分の能力を発揮できる条件が異なる点。ネガティブな人がリラックスした環境で作業を行うと、逆にパフォーマンスが下がってしまうんですね。
有名なのは96年のダーツ投げ実験で、あらかじめネガティブな人に「ダーツの的を外す自分の姿」を想像させてからプレイさせたところ、点数が30%も良くなったんだそうな。どうやら、ネガティブな人を良い環境に置くと、不安が減ることでモチベーションも下がってしまうらしい。
同じような研究はほかにもありまして、86年の実験では、「キミは絵が上手いから良い作品を作れるね」と声をかけてから絵を描かせたところ、ポジティブな人は14%も点数が上がったのに、ネガティブな人は29%も下がってしまったそうな。
これも理由は同じで、ほめ言葉で不安感が減ったせいでモチベーションが下がっちゃったんですな。ネガティブな人に高いパフォーマンスを発揮させたければ、ちゃんと不安を感じられる環境を作ったほうがいいわけですね。
PsycNET - Display Record
Defensive pessimism ...
防衛的悲観主義者は不安をモチベーションに使うという研究
結論:ネガティブなとポジティブのど真ん中を目指す
一般的にはポジティブな性格のほうが良いとされがちですが、実際はポジティブにも問題はありまくり。2011年の調査で極端にポジティブ人と極端にネガティブな人をくらべたところ、極端にポジティブな人のほうが仕事ができないことが判明。09年の研究でも、社長がポジティブな企業のほうが利益が少ないことがわかったそうな。ポジティブな社長はリスクの高いチョイスをしがちなんで、会社を危機に追い込みやすいってことらしい。
そんなわけで、ネガティブとポジティブにはどちらも短所がありますんで、両者のいいとこ取りを目指すのがポイント。ポジティブな人はつねに冷静なネガティブ思考を意識して、ネガティブな人は不安感こそが自分の強みだと信じてがんばるって感じでしょうか。
ちなみにネットで見つけたテストによると私はネガティブよりな性格の人間らしいんで、上に書いたことを肝に銘じていきたいと思います。不安感は強み!
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防衛的悲観主義者テスト