なぜカロリー制限をすると痩せにくい体になるのか?
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そういえば、「なぜカロリー制限をすると痩せにくい体になるのか?」という超基本的なことを書いてなかったんで、今回はそこらへんの話でも。
というのも、いろんな研究を見ると、確かにカロリー制限は短期的(1カ月ぐらい)にはどんどん体脂肪が減っていくんですが、長期的(1年ぐらい)になると、体脂肪の減少率がどんどん少なくなるってデータが鬼のように出ているんですね(1,2,3,4,5,6,7,8,9)。
たいていの研究には異論も出るもんなんですけど、ことカロリー制限で痩せにくい体になっていくのは間違いなさそうです。
たいていの研究には異論も出るもんなんですけど、ことカロリー制限で痩せにくい体になっていくのは間違いなさそうです。
なぜこういった現象が起きるかと言いますと、ずばり代謝機能がガンガン変わるからであります。
具体的には、カロリー制限の状態が長く続くと、以下の現象が起きてきます。
- 甲状腺ホルモンが減る:甲状腺ホルモンは、代謝スピード(=脂肪の燃えやすさ)をコントロールする、ダイエットの超重要ポイント。こいつの量が減るほど、基礎代謝もガンガンと下がっていきます。
- 筋肉が減っちゃう:筋肉はエネルギーの消費量が大きいエリアなので、カロリー制限が続くと、体が「エネルギーを保存しなきゃ!」とパニックを起こして、脂肪よりも筋肉を減らそうとしちゃうんですね。
- ハンパない空腹感が起きる:「食べないと腹が減る」ってのは当たり前の話ですけども、この空腹感にはエクササイズを行う気力も奪う作用もありまして、たとえ同じ運動をしていてもダイエット効果は半減しちゃう。ついでに、脳が「エネルギーを節約しろ!」と体に命令を出すもんで、自分でも気づかないうちに日常の動作がコンパクトになっていき、ますます消費カロリーは減っていきます。
とにかく、強引にカロリーを減らすと、脳と体が総がかりでエネルギーを節約しようとがんばっちゃうんですね。
たとえば、いつもは2,000Kcalの食事をとっていた人が、「痩せよう!」と決めて1日の摂取カロリーを1,500Kcalに落とした場合は、
- 最初の1カ月ぐらいは順調に体重が落ちていく
- だんだんとホルモンと筋肉が減って代謝が落ちる
- 体が1日に1,500Kcalしか燃やさないようになる
- 脂肪が落ちにくくなる
って感じです。ここで一気にドカ食いの状態にもどすと、リバウンドの危機が高まる可能性も大。
そんなわけで、基本的にはカロリー制限で痩せるのは不可能だと思ったほうが吉なんですが、これはあくまで強制的に食べたいものをガマンした場合の話。
脳と体をなだめつつ自然に食欲を減らす方向に持っていけば、空腹や筋肉の減少に悩むことなくカロリーを減らして痩せることは可能であります。その最重要ポイントが脳のセットポイントなんですが、長くなってきたのでまた次の話にでも。
credit: Viktor Hertz via FindCC