マインドフルネス認知療法は抗うつ剤と同じレベルでメンタルに効くかも
以前に、マインドフルネス瞑想の科学的なメリットをずらずらと並べたことがありましたが、今度は「抗うつ剤と同じレベルの効果が!」ってデータ (1)が出ておりました。
これはオックスフォード大の研究で、2年にわたって抗うつ剤とマインドフルネス認知療法(MBCT)の効果をくらべたもの。マインドフルネス認知療法は、その名のとおり従来の認知療法のテクニックにマインドフルネス瞑想を取り入れたもので、俗に「第三世代」と呼ばれております。
基本的には、マインドフルネス瞑想で「現在に集中する力」をきたえたうえで、未来と過去についてムダな心配をしないようにするのが目標。かねてより、うつ病をやわらげる効果が高いと言われてきた技法であります。
で、今回の実験の参加者は、うつ病に悩む患者さんが424人。いずれも再発を防ぐために抗うつ剤を飲んでいる方々で、全員を2つのグループにわけたうえで、一方には8週間のマインドフルネス認知療法を、もう一方にはクスリの使用を続けてもらったんですね。
すると、2年後の結果は、
- マインドフルネス認知療法:うつの再発率は44%
- 抗うつ剤:うつの再発率は47%
ほぼ同じですね。ほかにも、症状がやわらいだレベルや生活の質などにも大差はなかったそうな。
まぁ、この実験はプラセボ群を作ってないので、「マインドフルネスはクスリと同じ効果!」とは言い切れんのですが、マインドフルネス認知療法のグループは、全体の71%が完全な断薬に成功したそうで、これだけでもなかなかの成果かと。
いずれにせよ、マインドフルネス認知療法は、不安や神経症なんかをやわらげる効果も高いので、うつ病じゃなくとも「もっとラクに生きたい!」ぐらいの人にもわりとオススメ。本で学ぶなら「マインドフルネスストレス低減法」か「マインドフルネス・ストレス低減法ワークブック」あたりが、専門的すぎず手軽に使えて便利です。
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