「水をたくさん飲めば美容と健康に効く!」説にありがちな4つのウソ
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「健康のためにたくさん水を飲もう!」なんて話をよく聞く一方で、「水の飲み過ぎは体に悪い!」なんて説も見かける昨今ですが、ペンシルベニア大学のレビュー(1)が非常に参考になったのでメモ。
これは、水分保持力のエキスパートであるスタンリー・ゴールドファルブ博士のリサーチで、世間でよく聞く「水と健康」に関する4つのデマが、コンパクトにまとめられております。その4つとは、
- 水を飲むと体から毒素が排出される!
- 水を飲むと肌の調子がよくなる!
- 食前に水を飲むと空腹感が減る!
- 水を飲むと頭痛がやわらぐ!
というもの。いずれもネットなどでよく見る話ですが、博士が過去の実験データを調べ直したところ、どの説も根拠はなかったとのこと。
たとえば、1番目の「毒素を排出」説については、
体内の毒素を排出するのは腎臓だ。それこそが腎臓の役目であり、実に効率よく仕事を果たしてくれる。そして、水を飲む量は、腎臓の正常な働きとは関係がない。たくさん水を飲めば尿の量は増えるが、尿のなかの毒素の量が増えるわけではない。
とのこと。2009年に出た「デトックス」に関する論文でも、「毒素の排出なんて肝臓と腎臓が完璧にこなしてくれる」ってのがメインの主張になってましたね。
そのほかの3つの説も同様で、いずれも「証拠はほとんどない」とバッサリ切り捨てられております。あくまで水を余分に飲んでメリットがあるのは、
- 気温が高くて乾燥している場合
- アスリート
- 病気中の人たち
だけで、平均的な人には目立った効果は出ないそうな。
ゴールドファルブ博士いわく、
水を余分に飲むことでメリットあるとの証拠はなかった。ただし、水をよぶんに飲むメリットがないとの証拠もなかった。
とのこと。いまのところ「水飲み健康法」については、メリットがあるともないとも言い切れないんだ、と。
そんなわけで、モデルのように大量の水を飲む必要はなさそうですが、起床後のような脱水状態のときに水を飲むのは間違いなく重要。それ以外のケースでは、2014年にオタゴ大学から出た、
ほとんどの条件下では、環境の違いに関係なく「ノドが乾いてから水を飲めば十分」
ってガイドラインを守っていれば問題なさそう。結局は、体のサインに従うのがベストってお話でした。
Credit: Barbara Walsh