オメガ3のサプリを買う前にまずは徹底的にオメガ6を減らそうね、という話
当ブログで何度か話題に出ているオメガ3脂肪酸。慢性炎症を抑えてくれたり、リーキーガットを癒やしてくれたり、脳の働きが良くなったり、うつ状態や痴呆を改善したりと、かなり信頼できるデータが多い栄養素のひとつなんですね。
オメガ3とオメガ6は体内で権力争いをしている
ただし、ここで難しいのが「どれだけオメガ3を摂ればいいの?」って問題。というのも、必要なオメガ3の量はオメガ6に左右されるので、「サプリを飲んでるから大丈夫!」ってわけにはいかないんですよ。
ご存じのとおり、オメガ6は体の炎症を促進する脂肪酸でして、肥満やアレルギーの原因とも言われております。体内でオメガ3と激しい権力争いをしてまして(1)、片方の量が増えると、もういっぽうの力が弱まってしまう関係にあるんですな。
ざっくり言いますと、
- オメガ6の摂取量が増える → オメガ3が体内で使えなくなる → 全身に炎症が起きる → 老けやすい → 死ぬ!
- オメガ3の摂取量が増える → オメガ6が体内で使えなくなる → 全身の炎症がやわらぐ → 老けにくい → 生きる!
って感じ。つまり、どんなにオメガ3のサプリを飲もうが、オメガ6の摂取量を減らさない限りはムダになっちゃうわけです。逆に言うと、オメガ6の摂取量さえ減らせばオメガ3を飲まなくても大丈夫。ここ大事。
ちなみに、たいていのオメガ3サプリの摂取量は1日500mgが目安ですが、これは冠動脈の健康のため必要な最低ライン(2)。「これだけ飲めばOK!」って意味じゃないのでご注意ください。
オメガ6をギリギリまで減らすしかない
では、実際にどれだけオメガ3を摂ればよいかというと、厚生労働省の基準によれば(3)、
- オメガ6:1日9g前後、総摂取カロリーの10%(22-30g)が上限
- オメガ3:1日2g程度
になっております。オメガ6と3の比率は4.5:1ですね。
ただし2000年のレビュー論文(5)によれば、古代人や現代の狩猟採集生活は、オメガ6と3の比率がほぼ1:1なんだとか。狩猟採集民に炎症性の病気(心疾患とか糖尿病とか)が見られないのも、脂肪酸のバランスが良いからだと言われております。パレオダイエッターとしては、やはり1:1を目標にがんばりたいところ。
とはいえ、いまの日本人は1日に13〜15gのオメガ6を摂っているなんてデータもあったりします(6)。これに対抗できるだけのオメガ3を摂ろうと思ったら、なんと1日で1.2kgもの魚を食べねばならないことに!(サバのオメガ3量で計算してます)。さすがに現実的ではないですなー。
そんなわけで現実的な対策としては、やっぱりオメガ6をギリギリまで減らすのがベスト。具体的には、1日の摂取カロリーが2,000calの人だったら、全体の2%以下(約4.5g)ぐらいまでおさえたいところではあります。これは、皮つきチキン200gと卵を1個ぐらい食べたら到達しちゃう量なんで、当然、オメガ6だらけな加工食品を食べる余地はなくなっちゃう。
ここまでオメガ6を減らせたら、あとは週に250gぐらいの魚を食べれば問題なし。まずまず現実的なラインかなと思います。
まとめ
以上の話をまとめると、
- オメガ6の量を減らさない限り、オメガ3サプリを飲んでも意味がない
- オメガ6とオメガ3のバランスは1:1を目指す(最低でも2:1)
- 結局はオメガ6を徹底的に減らすしかない
といった感じであります。そもそもオメガ3サプリには問題も多いので、やはりオメガ6を減らすのが最適な方法になるのかなーと思う次第です。