ハイチオール、ビタホワイト、キエミホワイト…Lシステイン系サプリで本当に美白肌になれるの?
「システイン系の美白サプリってどうなんですか?」とのご質問をいただきましたんで、ちょっと考えてみましょう。
Lシステインが美白に効くことを証明した実験はない
システインはアミノ酸の1種で、昔から「美白に効く!」と言われる成分。こいつを使った商品はいろいろありまして、
- ハイチオールCホワイティア(http://amzn.to/2tAy1hx)
- ビタホワイトプラス(http://amzn.to/2t1LqxU)
- トランシーノホワイトC(http://amzn.to/2tATMhf)
あたりが有名なところ。通販系だとキミエホワイトやロスミンローヤルなんかもよく名前を聞きますね。
基本的な成分はどれも同じでして、Lシステイン、ビタミンC、ビタミンB6がメイン。その元祖はハイチオールCで、1970年代に久光製薬が行った試験データをもとにしております。つまり、ハイチオール以外の商品は久光製薬のデータを使ったジェネリック品なので、どれを買っても効果にはほぼ変わりはないはず。
ただし、Lシステインが本当に美白に効くかといえば、意外とハッキリした話でもなかったりします。というのも、1970年代の実験で認められたのは、湿疹や皮膚炎、じんましんなどへの効果なんですよ(1)。肌トラブルに効くのは間違いないものの、美白の効果を証明したわけでもないんですね。
というわけでここから先は、状況証拠をもとにしたフワッとした話になります(笑)。ご了承ください。
システインが肌に良いのはグルタチオンのおかげ
そもそもLシステインが美肌に効くと言われるのは、体内でグルタチオンの材料になるからであります。グルタチオンは強い抗酸化作用を持つ重要な成分で、なかには「抗酸化の母」と呼ぶ専門家もいるぐらい。こいつがメラニンの生成を抑えて、肌を白くしてくれるわけです。
グルタチオンと美白について調べた研究はいくつかありまして、
- 60名の男女に1回250mgのグルタチオンを1日2回飲んだところ、4週間で肌のメラニン量が下がった。ただしまったく効果のない人も結構いた。(2009年,3)
- 生体外研究のデータでは、グルタチオンがメラニンの生成を抑える仕組みが確認された。(2005,4)
- 30名の女性にグルタチオンクリームを使ってもらったところ、10週間で肌のメラニンが減った。(2014,5)
あたりが有名なところ。データ数は少ないながら、それなりに良い成績を出しております。
Lシステインの代わりにNACを飲むほうがオススメ
こうなると「Lシステインじゃなくてグルタチオンを飲めばいいんじゃない?」って話になるんですが、グルタチオンのサプリは吸収率が悪いのが難点。1994年の実験(6)とかを見ると、飲んだ成分の5割が体内に吸収されれば上出来といったレベルかと思います。
つまり、
- グルタチオンを直に飲む
- Lシステインを飲んで体内のグルタチオンを増やす
という2択のどちらが本当に良いのかは判断できないんですよね。特にグルタチオンは値段が高いサプリですから、コスパの面でも不安が残るところです。
そんなわけで個人的にオススメしたいのが、
- Nアセチルシステインを飲む
- ホエイプロテインを飲む
という代替案であります。
Nアセチルシステイン(NAC)はLシステインの仲間ですが、体のなかで活性化する性質を持ってまして、より効率よくグルタチオンを増やすことがわかってるんですね(7)。残念ながらNACと美白について調べたデータはないものの、Lシステインが入った商品を買うより効率がいいのは間違いないかと。グルタチオンより値段も安いですしね。
また、ホエイプロテインにはLシステインが豊富に入ってまして、こちらも体内のグルタチオンを増やしてくれます(8)。ホエイプロテインには美白のほかにもさまざまなメリットがありますんで、Lシステインだけの商品を買うよりもコスパが良いのではないかと思う次第です。
まとめ
以上の話をまとめると、
- Lシステインには美白効果があるかもしれないが、いまのところちゃんとしたデータはない
- グルタチオンには美白の可能性があるが、吸収率の悪さと値段の高さが難点
- だったら、NACかホエイプロテインを買うほうがいろいろとお得
といった感じです。個人的にはホエイプロテインで十分かなーと思いますが、美白にこだわりたい方はNACを試してみるのもありかもしれませんねー。