「筋トレはオールアウトしないと効果がない!」はどこまで本当か?
オールアウトってどこまで必要?
筋トレをしてると、よく「オールアウトしないと効果が出ないぞ!」とかアドバイスを受けたりします。
オールアウトってのは、正しいフォームでウェイトを動かせるギリギリのとこまで自分を追い込むこと。「もうダメ!1ミリも動かない!」ってとこまで追い詰めないと、筋力も筋肉量も増えないんだって話です。
ただし、これって私のような「ぼっちの筋トレーナー」には難しいんですよね。サポーターがいないとついズルしちゃうし、フリーウェイトで限界までやるとケガの危険も大きいですし。困ったものです。
普通の人にはオールアウトは不要?
ってところで、近ごろ出た論文(1)では「普通の人にはオールアウトは不要じゃね?」って結論になってておもしろかったです。
これはウーロンゴン大学の実験で、28人の筋トレ初心者を対象にしたもの。実験期間は12週間で、1回4セットのアームカールを週に3回ずつやってもらったらしい。
その際、参加者は3つのグループにわけられまして、
- 筋肉を限界まで追い込んで、ウェイトは2秒で上げて2秒で下げる
- ウェイトを素早く上げ下げして、2回分ぐらい余力があるとこで止める
- ウェイトを2秒で上げて2秒で下げつつ、2回分ぐらい余力があるとこで止める
って感じなっております。オールアウトの効果にくわえて、ウェイトの上げ下げスピードによってどんな違いが出るかをチェックしたわけですな。
どのグループも同じように筋肉が発達していた
それでどんな結果が出たかといえば、
- 筋力も筋肉量もすべてのグループで有意差なし!
だったみたい。オールアウトをしたグループは、他のグループより筋肉を追い込んで、さらには30%もトレーニングのボリュームが多かったわりに、統計的にはハッキリした差が出なかったんだ、と。なかなかビックリな結果であります。
ただし、具体的なデータを見ると、それなりの差は出てたりしまして、
- 筋力の発達は…
- オールアウトグループは11.6%の向上
- 余力あり+ウェイトをゆっくり上げ下げしたグループは10.9%の向上
- 余力あり+ウェイトを素早く上げ下げしたグループは7.1%の向上
といったところ。統計的な差こそ出ないものの、オールアウトにはほんーの少しだけのアドバンテージはあるのかも。
まとめ
もちろん、これは筋トレ初心者が対象なんで、ベテランの場合はまた違った結果が出そうな感じではあります。が、とりあえず以前のデータをひっくるめて考えますと、
- 健康維持やスタイルアップのために筋トレをやってるような普通の人は、オールアウトにこだわらないほうがラクでいい
- ゴリゴリの筋トレ野郎は、微妙なアドバンテージを狙ってオールアウトに挑むもよし
って結論になりそうですね。個人的には、全体のボリュームが30%減っても大差がないんだったら、ラクなほうを選びますかねぇ。