脳の食欲スイッチを切り替えるアミノ酸が特定されたかもしれない件
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脳の食欲スイッチがわかった?
当ブログでは、ヒトの食欲をつかさどるのは脳だ!って話を死ぬほど書いております。これは大量の実験で裏付けられた説で、「パレオダイエットの教科書」で強調したセットポイント理論も、このへんの研究がベース。ただ、いまだに謎が多いのが「脳がどんなふうに食欲をコントロールしてるの?」ってとこ。脳が食欲のコントロールセンターなのは間違いないものの、具体的なメカニズムまではよくわかってなかったんですな。
が、新しい論文(1)では「脳の食欲スイッチがわかったよ!」って内容になってて熱いです。なんでも、脳のどのエリアがどんな栄養素に反応して食欲を調整してるかを突き止めたというんですな。いかにも使えそうなデータですなぁ。
視床下部から満腹のシグナルが出ていた
これはワーウィック大学の調査で、肥満化させたマウスを使ったもの。蛍光性の栄養素を食べさせて、脳のどの細胞がどう反応するかを調べたんですな。それでなにがわかったかと言いますと、
- 脳の視床下部にあるタンサイトが「うまみ」(要はアミノ酸ですな)に反応し、「満腹になるように!」と指令を出していた
ってとこです。視床下部ってのはメンタルのコントロールに関わるエリアで、オキシトシンとかエンドルフィンなんかを出して気分を調整してるとこ。ここにある細胞がアミノ酸の流入を察知して、食欲に影響をあたえてるみたい。なるほどねぇ。
食欲を減らすのに効くアミノ酸はこれだ!
研究者いわく、食後における血中と脳のアミノ酸レベルは、満腹感を引き起こす大事なシグナルとして働いている。タンサイトが直にアミノ酸の濃度を感知しているという事実は、私たちの体重を健康なレベルに保つうえで重要な発見だ。
とのこと。もちろん動物実験のレベルではありますが、視床下部が体重をコントロールする仕組みはマウスとヒトでかなり似てますからねぇ。確かにナイスな発見可と思います。
さらに、脳に満腹シグナルを送るうえでどのアミノ酸が大事かというと、
- リジンとアルギニンの2つにもっともタンサイトが反応した!
って感じらしい。リジンとアルギニンといえば、2015年のメタ分析で「不安を軽減する効果が高い!」って結果が出てたり、血中の成長ホルモンを増やす(かも?)とも考えられているアミノ酸。いろいろろ面白いデータが多い成分だったんですが、ダイエットにも激しく役立つ可能性が出てきたわけっすね。
リジンとアルギニンが豊富な食材
リジンとアルギニンはそれぞれサプリがあるものの、普通に肉類に豊富なんで、とりあえず胸肉を食べておけばOK。ほかにも2つのアミノ酸が豊富な物質と言いますと、- 豚(肩)
- 牛肉(サーロイン)
- サバ
- ニシン
- スズキ
- タラ
- サーモン
- ツナ
- プラム
- アボカド
- レンティス豆
- アーモンド
- ヘーゼルナッツ
- ピスタチオ
- 全乳ヨーグルト
などが有名どころです。こうして見ると、オメガ3のバランスがよくてリジン&アルギニンが多いサーモンなんかはやっぱ最強食材のひとつですわな。