筋肉がバキバキになると噂のサプリ「HMB」は本当に効くのかが明らかに
HMBで本当にバキバキになれるのか?
HMBっていう筋トレサプリがありますな。ロイシンってアミノ酸の代謝物でして、数年ぐらい前から、筋トレ好きの間では筋肉の分解を抑える作用があると言われております。
わりと歴史が浅いサプリなんですけど、一部のビルダーからは支持が厚くて「体がバキバキになる!」なんて評価があったり。こりゃ気になりますな。
もっとも、当ブログでは2015年にざっくりしたレビューを書いてまして、そこでは「効く可能性はあるけど、いまのとこ積極的に買う理由はないかなー」ぐらいの結論。いまいち煮え切らない感じだったんですな。
が、近ごろ「HMBの効果をガッツリ調べたよ!」って論文(1)が出まして、ようやくスッキリしたことが言えそうであります。
筋トレ歴が長い人にHMBは効くのか?
これはヴァルパライソカトリック司教大学の論文で、 過去に行われた237件のHMBの実験から質が高い6件を選んで、データを精査したもの。いわゆるRCTのメタ分析でして、信頼度が高くていい感じです。実は2015年にもメタ分析(2)は出てたんですけど、この時は高齢者を対象にしていたので、いまいちわからんかったんですよね。
このメタ分析が何をチェックしたかと言いますと、
筋トレ歴が長い人やアスリートがHMBのサプリを飲んだ場合に、筋力と体組成に影響が出るかを調べた。
とのこと。筋トレ好きがHMBを飲んだら、本当にバキバキになれるかどうかを調べてくれたわけですね。ありがたいですなぁ。
で、この論文でいう「筋トレ好き」と「アスリート」の定義は、
- 筋トレ好き=最低でも1年は定期的に筋トレを続けている
- アスリート=プロの世界で活躍している、または大学レベルで活躍している
だそうな。1年ぐらいの筋トレ歴であれば、たいていのHMBユーザーに当てはまりそうですな。
HMBには何の効果も見られなかった
さらに、大まかな実験の概要を紹介すると、HMBの用法は1日3〜6gぐらい。実験期間は4週間前後が多くて、だいたいの参加者はスクワット、ベンチプレス、デッドリフトなど、定番のメニューをこなした模様であります。
さて、まずは大きな結論を引用しますと、
筋トレ歴が長い人やアスリートの場合は、筋力と体組成のどちらに関しても、 HMBには効果が見られなかった。
って感じになっております。普段から運動をしている人には、HMBは無意味みたい。
さらに具体的に言えば、
- HMBが筋力に与える影響はほぼゼロ(効果量はベンチプレスが0.00、レッグプレスは-0.09)
- 筋肉量に与える影響はもほぼゼロ(効果量は筋肉量が0.16、体脂肪が−0.2)
だったみたい。ほぼ使うだけムダみたいな印象でしょうか。
ってことで、結論としてはHMBはオススメできず。高齢者や筋トレ初心者なら意味があるのかもですが、HMBを買うような人は筋トレ好きでしょうからねぇ。うーん、残念。