1日3時間ぐらい座りっぱなしでも脳が小さくなっちゃうかもだぞ!というこわい話
「座りすぎが体に悪い!」ってのはもはや常識になりつつありまして、さらには立ち机で働くと仕事の生産性が上がる!なんて話もあるわけです。運動不足が健康に良くないのは当たり前なんで、当然といえば当然なんですが。
ってところで、今度は「座りすぎで脳が劣化するよ!」なんてデータが出ておりました(1)。
これはカリフォルニア大学の実験で、45〜75歳の男女35人を対象にしたもの。どんなデザインの実験かと言いますと、
- 参加者がいつもどれぐらい座ってるかを調べる
- ついでに普段の身体活動レベルもチェックする
- 最後に全員の頭を高解像度MRIにかける
って感じで、座り時間と脳の関係を調べたわけですな。
でもって、脳の内側側頭葉の厚みと「座り時間」の関係を示したのが以下のグラフです。タテ軸が脳の厚みで、ヨコ軸が1日に座ってる時間です。
そこまでハッキリした関係性ってわけでもないですが、座り時間が長くなるほど脳が薄くなる傾向が出てますねー。
内側側頭葉ってのは海馬なんかをふくむ脳のエリアで、ものごとをおぼえておく時などには必須。アルツハイマーの患者さんなんかも、ここが薄くなっちゃう傾向が大きいことがわかってたりします。
研究者いわく、
座り時間の長さは、内側側頭葉の薄さを示す良い指標になる。この現象は、よく運動をしている人でも(たとえ激しい運動をしている場合でも)、長時間の座り仕事による悪影響は相殺できていなかった。
ってことで、なかなか怖い結果になっとります。「座りすぎのダメージって運動でどうにかなるの?」って問題はいまも決着がついてないんですけど、「脳についてはいくら運動をしてもムダなのでは?」ってことですな。小規模な実験すぎてなんとも言えないとこですが、恐ろしいもんですなぁ。
ちなみに、参加者が1日に座ってる時間は平均で3〜7時間ぐらいだったとのこと。デスクワーカーとしてはいたって普通の座り時間ですねぇ。たった1日3時間でも脳が薄くなりだすってのはビビりますな。
もちろん、これは非常に初歩的な研究なんで、そこまでうのみにせずに「そんな可能性もあるのか〜」ぐらいの気持ちで見守っていただくのがいい感じ。やっぱスタンディングやなぁ……。