「肉は心臓に悪い?」いや、それどころか良い肉はコレステロールを下げるんだぜ!という実験
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肉はどこまで体に悪いのか?
「肉は体に悪い!」って考え方がよくあるわけですな。
事実、こないだ世界がん基金が発表したデータでも、「赤肉はがんリスクをあげる!(多分)」って結論になってたりするんですよね。ちなみに、ここでいう「赤肉」ってのは赤身肉のことじゃなくて、牛肉や羊肉をあらわす欧米流の分類法です。
ご存じのとおり「パレオダイエットの教科書」では「肉を食べよう!」ってのを基本にしてまして、世界がん基金のデータは気になっちゃうところなわけです。
そんな状況下、「肉は悪くない!一部の肉が悪いだけなんだ!」みたいな実験(1)が出ておりました。
週に500gの肉は体に悪いのか?
これはパデュー大学の実験で、41人の肥満男性を対象にしたもの(BMIは25〜37のあいだ)。どんな実験だったかと言いますと、まずはみんなに「地中海式ダイエット」を5週間ほど続けてもらい、その際に全体を2つのグループにわけております。
- 週に食べる牛肉&豚肉の量が500g以上(典型的なアメリカン人の消費量。「体に悪い!」と言われている)
- 週に食べる牛肉&豚肉の量が200gまで(アメリカで「心臓病リスクを減らすならこれぐらいにしてね!」と言われてる量)
って感じで、肉の量を変えたら肥満体型の人にはどんな影響が出るか?をチェックしたわけっすね。
さらに、ここで重要なポイントは、
- 牛肉と豚肉は未加工な赤身肉を使用!
- 3大栄養素のバランスは、タンパク質20%、炭水化物40%、脂肪40%(飽和脂肪酸7%、多価不飽和脂肪酸20%)
- タンパク質の差は卵と鶏肉で調整
- カロリーは両グループで同じ
- アルコールは赤ワインを1日にグラス1杯まで(150ml)
- 塩分、カリウム、マグネシウム、カルシウムの摂取量は両グループで±15% の範囲に収まるように設定
といったところです。ここまでやれば、「本当に肉を増やすと体に悪いのか?」ってのがわかるわけです。
肉を食ったグループの方が心疾患リスクが下がった
さて、それでどんな結果が出たかと言いますと、
- 肉を500g食ったグループのほうが……
- 200gのグループより総コレステロールが3%改善!
- 悪玉コレステロールが8%改善!
- ApoBが6%改善!(動脈硬化のリスク要因)
- 両グループで変化がなかったものは……
- 善玉コレステロール
- 中性脂肪
- CRP(炎症のサイン)
- インスリン
- HOMA-IR
って感じです。要するに、牛肉や豚肉は糖質のコントロールには悪影響がなく、それどころか脂質プロファイルにはメリットすらあるのではないか、と。牛肉や豚肉は心疾患のリスクを下げるのではないか、と。
そんなわけで、このデータを見る限りは、
- 「未加工で赤身」って条件さえ満たせば、牛肉や豚肉は体に良い!(可能性が高い)
ってことが言えそうではあります。事実、「肉が体に悪い!」って言われるときは、ソーセージみたいな加工肉か霜降りみたいな脂身が多い肉を対象にしてるケースがほとんどですからねぇ。